デジゲー博2019で見つけたおすすめ同人・インディゲーム13選

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2019年11月17日、同人・インディーゲームの頒布イベント「デジゲー博」が東京・秋葉原UDXの2階および4階にて開催された。今年で7回目の開催となり、例年と変わらぬ盛り上がりぶりを見せていた。
本記事では取材陣が気になった同人・インディゲームを13作品紹介する。読者の皆さんも気になった作品があればぜひチェックしてみてほしい。

昨年の記事はこちら

竹園工房『花鳥風月』

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『花鳥風月』は竹園工房のたけのこ氏が制作中の横スクロールアクションゲーム。会場では体験版の頒布と試遊が実施されていた。和を意識した水墨画調のグラフィックが本作の特徴であり、大きな魅力となっている。

剣を振るう通常攻撃のほか、花びらの形をしたゲージを溜めることで花札をモチーフとしたスキルセット「札技」、剣のゲージを溜めることで必殺の一撃である「一閃」を発動することができ、それぞれの攻撃は格闘ゲームのように攻撃ヒット時に「キャンセル」して連続させられる。キャラクターの動きは全体的にスピーディで、体験版の段階ながら”高機動性”に”重い斬撃”が組み合わさったキビキビとしたアクションを体感することができた。
また「花札のカス札に当たる技を10回使う」といった「お題」によってゲージやスコアが上がるようになっており、これによるスコアアタックも白熱しそうだ。

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本作はデジゲー博開催前日の11月16日よりcanpfireでのクラウドファンディングが開始されている。クラウドファンディングのサイトによれば、本作はプロローグ編と各季節ごとに1回づつ、合わせて全5章立てでリリースされる予定とのこと。『花鳥風月』の名が示すとおりの四季折々の麗しい風景を見せてくれそうだ。
(真野 崇)

Image Labo『Recolit』

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薄暗い夜の闇と、様々な街の中の明かりとのコントラスト。そんな身近なところにある美しさをドット絵で表現した作品が、Image Laboが展示を行っていた横スクロール型のアドベンチャーゲーム『Recolit』だ。

本作では惑星に不時着した宇宙飛行士を操り、夜景の中を旅していくことになる。
探索していくと影だけの残留思念のような見た目になっている街の住人達を見かけることがあり、彼らの願いを聞き入れていくことで先へ進むための道が開けていく。謎を解いていく上では、自動販売機、街灯、信号機といった「明かり」の存在が鍵となる。
加えてアイテムを拾った時にはちょっとした説明文が流れ、その内容が切なさを誘う。見つけたアイテムはコレクションに記録されるため、様々なアイテムを収集する楽しみもある。

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『Recolit』は2020年夏に完成が予定されている。また今冬開催のコミックマーケット97にも出展予定がある他、デジゲー博にて展示されていた物と同内容の体験版がBOOTHにて公開されているので、もし待ちきれないという人はチェックしてみてほしい。
(真野 崇)

公式サイト: https://image-labo.com/recolit/

ヘビサイドクリエイション『●LIVE IN DUNGEON』『PIANOFORTE』

時は大配信時代。ヘビサイドクリエイションが開発中の『●LIVE IN DUNGEON』は、片手に剣を、もう片手に配信機材を持って「いいね!」を稼ぐ配信系冒険者となりダンジョンを探索する、ゲーム実況系3DダンジョンRPGだ。
画面右側部には視聴者からコメントが流れるようになっており、探索中に怪しいポイントを見つけると、「もっと近寄って欲しい」等のリクエストを受けることもある。安全に進むか?撮れ高を狙うか?その判断を迫られることになるだろう。

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戦闘は行動ゲージが溜まった時にコマンドを入力していくアクティブタイムバトル方式。3DダンジョンRPGとしてはやや珍しいスタイルのバトル方式だが、コマンド入力を待つ間にコメント返信をするなど生主のやるべきことは多い。返信に夢中になるあまりに自分が倒されてしまうことがないように注意が必要だ。
展示版では実装されていなかったものの「いいね!」を集めることで「テンション」を高め、それを攻略に活用するようなシステムを検討しているとのこと。今冬開催のコミックマーケット97にてプレイ可能なバージョンを頒布する予定となっている。

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また、ヘビサイドクリエイションのブースでは『●LIVE IN DUNGEON』の展示の他、今夏に開催されたコミックマーケット96で公開されたRPG『PIANOFORTE』の頒布も行われていた。こちらはピアノ楽曲群とモノトーンのグラフィックに彩られた自動進行型RPGとなっており、併せて注目したい一本だ。
(真野 崇)

公式サイト: https://twitter.com/HeaviCre

超OK『ツキササリーナ』

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対戦型リズムゲーム『PHRASEFIGHT』を送り出したサークル超OKから新たな”刺”客。同サークルのブースでは、新作となる対戦型アクションゲーム『ツキササリーナ』の展示が行われていた。

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ヤリイカのように頭の尖った謎の生命体を操作し、左右に移動しつつジャンプで水面に潜り、対戦相手を下から「突き刺す」ことで1ポイント獲得。3ポイント先取で勝利となる。
ジャンプの高さはボタンを押している長さで変えることが可能で、高くジャンプすればより深く水面に潜る事ができるが、空中にいるところを刺されやすくなるというリスクもあり、シンプルな操作とルールですぐに駆け引きに興じることができる。

本作は2020年春にSTEAMにて配信予定。現在STEAMにてベータテストが進められている、ローカル多人数ゲームをオンラインでプレイできるようにする「Remote Play Together」機能にも対応する模様だ。(編注:日本時間11月21日より機能の正式提供開始
ゲームにネット対戦機能を搭載するためには通信に関わる複雑な処理が必要になり、小規模なゲーム開発のなかで実現しようとすると大きな負担になりがちだったが、Remote Play Togetherの活用はネット対戦をより簡便に実現できるものとして期待がかかる。本作を皮切りにRemote Play Togetherに対応した多人数ゲームの新作は今後増えてくることだろう。
(真野 崇)

公式サイト:http://veryok.jp/tkss/

有限会社娯匠『CYBORG PROTOTYPE』

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有限会社娯匠『CYBORG PROTOTYPE』は「サイボーグ」をテーマとした格闘ゲーム。
サイボーグを構成しているパーツのうち、四肢(右腕・左腕・右脚・左脚)のそれぞれに割り振られた4つの攻撃ボタンと、防御アクションであるバリア、パーツごとに設定されているゲージ技の「スキル」を駆使し、テストルームで繰り広げられる果てのない戦いに挑む。

サイボーグの四肢・胴体・頭部の各パーツにはそれぞれ個別に耐久度が設定されており、攻撃を浴びせて敵サイボーグの胴体か頭部を破壊できれば勝利、逆に破壊されれば敗北となる。腕や脚は個別に破壊可能で、破壊できれば相手のスキルやスピードを封じて戦いをより優位に進められる。

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スキルによる重たい一撃で腕が弾け飛び、脚が砕けていくのは爽快感抜群。映画『アリータ:バトル・エンジェル』ばりの容赦のない破壊の嵐が吹き荒れるサイボーグバトル圧巻のひとことだ。

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また本作は対CPU戦のみで進行し、敵を倒したあとは敵からパーツを奪い取って自身に装着し次の戦いに臨むという「ローグライト」の要素を取り入れたものとなっている。これによりスキルが強力なパーツを使い続けるのか、あるいは耐久力の高いパーツに付け替えるのかといった長期戦を見据えた戦略を考える楽しさも兼ね備えている。本作のコンセプトのひとつとして対人戦は気後れするという人が一人用でも楽しめる格闘ゲームを目指して開発が進められているとのこと。

プロトタイプとあるとおり本作は試作段階の作品で、来年秋を目標に一通りの内容を固めていく予定のほか、クラウドファンディングの実施なども検討されている。興味が湧いた方は公式サイトのブログ等で続報に注視してほしい。
(真野 崇)

公式サイト: http://www.cyborg-prototype.com/

串寿司『Frame Outsiders』

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超能力を身につけた主人公「縁結さざれ」となり、悪の組織「サイクル」が管理する強い思念を宿した”宝物”の奪取に挑む見下ろし視点のステルスアクション。Steamで販売されている、盲目の少女を出口へと導くアクションアドベンチャー『Blind Witch -Peek Window-』の作者・つじは氏が所属する同人サークル「串寿司」が制作。

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最大の特徴はタイトルにも冠されている「フレームアウト」……視点の移動で動画などの画面内から人が消える仕組みを活かしたテレポートアクション。右スティックでカメラを動かし、主人公をフレームアウトさせると、その逆側に主人公が出現(テレポート)。これを駆使して部屋から部屋へと移動していき、「残留思念」を集めながら、カプセルに収納された”宝物”の回収を目指す形となる。しかも、宝物を回収すればステージクリアとはならない。そのまま脱出パートへと移り、出口に当たるスタート地点まで戻ることになるのだ。おまけにこのパートでは画面内にロックがかけられ、カメラを一切動かせなくなる。故にテレポートも一切不可能だ。この制約下で主人公を捕まえようと迫ってくる警備員を振り切り、正規の手段で部屋から部屋へと移動しながら出口を目指す。もちろん、警備員に捕まればゲームオーバーだ。武器による攻撃もできないので、まさに突破のカギとなるのは相手の裏を突く行動。非常にシビア、且つスリル満点の逃避行が味わえる作りになっている。

今回、体験したのは1つのステージだけだったが、この時点でもゲームシステム、設定共に強烈な魅力と圧倒的な個性を感じさせる仕上がりになっていた。何と言ってもフレームアウトの仕組みを活かしたテレポートが革新的。距離がカメラの拡大・縮小に応じて変わるのも面白く、使い方次第でスピーディな立ち回りが可能になりそうな所にも大きな可能性を感じさせられる。脱出パート限定でテレポートが封じられるのも緊張感を高める要素として機能しており、独特のやり応えが描かれている。
リリース日は未定ながら、完成の時が待ち遠しい一作。公式サイトでは今回のデジゲー博に出展されていたステージを丸々楽しめる無料体験版がダウンロードできるので、興味があればぜひ、遊んでみていただきたい。
システムの関係上、右スティックを実装したゲームパッドでのプレイがおすすめだ。
(シェループ)

公式サイト: https://sgtkraft.github.io/frame-outsiders/

Q-Cumber Factory『ボーパルラビットセイバース』

2017年のデジゲー博レポートにおいて、「Q-Cumber Factory新作」の仮称で紹介した探索型のアクションゲーム。今回、晴れて『ボーパルラビットセイバース』の正式名称が付けられて出展。実装済みのステージ1とボス戦を体験できた。また、前回はPC版のみだったが、今回はNintendo Switch版も出展。こちらでも実装済みのステージ、ボス戦を携帯モードでプレイできた。

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筆者は前回、PC版を体験したので、今回はNintendo Switch版を選択。探索型アクション特有の迷路のような広いマップを動き回って、襲い来る敵を剣で成敗していく展開を楽しめた。特に「二段ジャンプ」が標準で備わっている関係で、縦横無尽に動き回れるのが爽快。これは前回のデモ版もそうだったが、製品版もこの仕様を踏襲するようで、ゲーム本編が始まって間もない頃から探索はもちろん、戦闘でも躍動的な展開を楽しめそうだ。また、敵を倒した後にすぐに二段ジャンプ、もしくは「ダッシュ」を決め、次の敵に攻撃を繋げる過程は同じ「Q-Cumber Factory」制作の『Ninja Smasher!』を髣髴とさせる手触りがあり、事実上の続編とも言える雰囲気を醸し出していたのも印象的だ。そのほか、ストーリーイベントも実装されていて、キャラクター同士が会話を繰り広げる様子も。画面の大半を埋め尽くす巨大なドラゴンゾンビが最初のボスとして登場し、多彩な攻撃で襲い掛かってくるのも圧巻だ。

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ステージは6つほどの実装が予定されているようで、今回はお目にかかれなかったが、探索型アクションお馴染みのアップグレードも備わるとのこと。完成にはまだ時間がかかる模様だが、現時点でも歯応えのある探索型アクションに仕上がりそうな期待を抱かせたので、今後の進捗に期待したいところだ。

なお、Nintendo Switch版に関して、パブリッシャーは現時点で決まっていない模様。また、本作の前身(前作)に存在した”あの演出”をどうするかの方針も決まっていないようだ。PC版だけ収録の形になるのか、或いはどちらもなしか、どちらも有りか。もしくは、別ルートでの販売か。
「Q-Cumber Factory」の表現面への身を挺した挑戦から目が離せない……?
(シェループ)

莞爾の草『NEXT DOOR 悠遠の世界』

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当もぐらゲームスにもレビューを掲載している長編RPG『デイドリームリバー』の作者である莞爾の草(かんじのくさ)氏の新作。
女子中学生で記憶を失った少女「トワコ」はある日、異世界「ヨンデルスワット」へと迷い込む。そこでは動物が服を着て二足歩行で歩き、人間と当たり前のように会話を交わしていた。かくして、奇妙な世界で個性的な仲間達と繰り広げる冒険が始まるのだが、トワコをここへ呼び出した科学者「エヴァ」にはある目的が……というのが大まかなあらすじ。

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内容としては、作者の前作『デイドリームリバー』同様にRPGだが、サイドビュー形式へと刷新した戦闘画面、シンボルエンカウントの採用(※前作は部分的だったが、今回は全編で採用)、レベルアップ時に得られる「ポイント」を割り振ってステータス強化を図る育成システムなどの新要素・変更点が多数。

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中でも育成周りはレベルアップ後もメニュー画面から自由にポイントの割り振りを変更できるなどカスタマイズ性が高く、プレイヤーの好みを反映したキャラクター作りを楽しめそうな感じだ。戦闘も速度(SPD)の高いキャラクターほどターン回数が増えるアクティブタイム形式によるスリリングな展開が繰り広げられるほか、前列と後列の位置に応じたステータス補正、特定の計算式に基づくダメージ量の算出など、戦略的な要素が豊富で一筋縄でいかない雰囲気を漂わせている。また、キャラクターそれぞれの特別な技「スペシャル」は前作で技が多すぎるとの意見を踏まえ、数を限定するなどの改良を加えているようだ。ボリュームもメインストーリーは5~7時間以上を想定。ストーリーも作中の世界観を踏まえた入り組んだ展開が繰り広げられるようだ。ちなみに今回もちゃんと脱落者は出るとのこと。またも慈悲なき展開と演出が画面いっぱいに描かれる……のかもしれない。

リリースは2020年6月頃予定。前作『デイドリームリバー』はフリーゲームとして配信された作品だが、今作は有料ゲームとして販売される。これは前作で賞を獲得した経緯で、インディーゲームの制作に携わる御方との出会いがあったことから決まったようだ。販売先は「BOOTH」。また公式サイト、並びに「ふりーむ!」では、今回のイベントに出展された内容が丸々楽しめる体験版も配信中だ。興味のある方はぜひ、ダウンロードしてチェックいただきたい。
(シェループ)

公式サイト: http://nextdoor.html.xdomain.jp/index.html
ふりーむ!: https://www.freem.ne.jp/win/game/21307

サークル常夜灯『エイプリルルーム』

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家賃8万、駅まで徒歩6分のワンルーム。
そこに新社会人1日目を迎える女性がいた。
だが、彼女は出勤への意欲をまるで見せない。
そうこうしている内に時間はどんどん過ぎ去っていき……という、謎めいたストーリーと設定が特徴のスマートフォン・タブレット用向けアドベンチャーゲーム。

それのみならず、ゲームプレイも”謎”だ。
開始して間もなく、主人公の女性が起床する様子が描かれるのだが、プレイヤーには「このようにしろ」との指示や情報は何も与えられない。新社会人だから出勤すればいいのかと推測し、部屋にあるスーツをタッチして調べるも、当人は着替えようとしない。ならば、朝食かと思って冷蔵庫を調べるも、そもそも食事をする意欲も見せない。それが違うなら、顔を洗うのが先かと思っても、そもそも洗面所が見当たらない。まだ他にやるべきことはないのかと、周囲にある下駄箱などを調べても、やはり変化はない。そうこうしている内に時計の針は刻まれていき、日が暮れて夜に。ようやく主人公が眠りたい意欲を見せ、ならばベッドに戻るしかないのかとタッチしたところ、そのままグースカと就寝。そして、エンディングを迎えてゲームが終わってしまった。プレイ時間にして数分である。

まさに「何をされたのかわからなかった…」という心境だった。ちなみにこの終わり方は「バッドエンド」とのこと。他にもエンディングがあり、そこで世界観やストーリーが徐々に分かってくる仕組みになっているようだ。いわゆる、手探りで全容を明かしていくゲームデザイン。あまりにも突き抜けたアドベンチャーゲームになっている。実際、部屋の中には数多くの意味深な要素が散らばっている。例えば、主人公は女性なのにスーツは男性用だったり、そもそも女性との情報も容姿からの推測でしかなく、詳細な設定は不明のままだったり……などだ。エンディングも他のプレイヤーの報告によれば、”誰か”が来るパターンもあるようで、ますます作品内の設定に対する憶測が広がる。

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キルヒムくんも見ている。

タイトル通りに2020年の春にiOS、Androidでリリース予定。当もぐらゲームスにもレビューを掲載している『One week, My room』を制作した「サークル 常夜灯」の最新作でもある。同作に魅了されたプレイヤーなら要チェックの一作だ。
(シェループ)

公式サイト: http://de.2-d.jp/joyato/

リトルぼっくり『BUILD&ESCAPE!!』

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東京工科大学所属のゲーム制作チーム「リトルぼっくり」制作の2Dアクションゲーム。ビルの爆破解体前の点検作業に従事していた主人公はその最中に居眠りをしてしまう。目を覚ますと、爆破解体の作業が始まってしまった。持ち前の建築技術を活かし、崩壊寸前のビルからの脱出を目指すという、どこか懐かしさすら覚える荒唐無稽なストーリーが描かれる。

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ルールは単純で、制限時間内に出口へと到達するだけ。アクションゲームでは王道中の王道である、ステージクリア方式で展開する。特徴となっているのが建築技術。主人公の目前に異なる形状をしたブロックを設置でき、それで足場を確保したり、トラップを封じ込めたりしながら進めていく形になる。目前に作るブロックは(試遊で用いたPlayStation 4用コントローラ『DUAL SHOCK 4』の例で紹介すると)L1、R1ボタンを押すと種類を切り替えられ、横や縦に3つ並ばせたり、階段状にすると言ったことが可能。また、設置後に△ボタンを押すとブロックを蹴り飛ばし、行く手を阻む障害物を壊したり、炎の弾を放つ発射口を塞ぐなどの離れ業もできる。さらにはR2ボタンを押せば、周囲の時間の流れが遅くなるスローモードに。これを駆使して続々と流れてくるブロックの上を乗り継いだり、時には背後から迫り来る炎から距離を取ると言った高等テクニックも決めれるようになっている。建築技術無関係にも程がある特殊能力だが。何故、そんな能力をこの主人公は体得しているのか?もしや、2018年に華麗なる再起動を果たした、あの”蒼い英雄”のように「ダ●ルギアシ●テム」を内蔵しているとでも!?大変ですぞ、ワ●リー博士!

とにもかくにも、二つのジャンル特有の魅力が絶妙にミックスされ、爆破解体中の設定に則った制限時間と背後より迫り来る炎の壁の存在も相まって、スリリングなアクションゲームに仕上がっている感じだ。
今回の出展で楽しめたのはごく僅かのステージだけだったが、いずれも各種アクションのユニークさと応用性の広さを感じさせる出来になっていた。今後、どのようなステージが追加され、緊迫感溢れる展開が楽しめるようになるのか。仕上がりの時が待ち遠しい。
(シェループ)

KeeSpring『LAVIA』

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「ティラノゲームフェス2017」で最優秀賞に輝いたビジュアルノベル『積層のAestivum』の作者keeha氏制作の横スクロールアクションRPG。様々なアクションを駆使して緑豊かなフィールドを巡り、剣による攻撃で魔物達と戦っていくという内容。二種類のバージョンが出展されていて、片方は基本操作やアクションを確かめるチュートリアル、もう片方は巨大なボスに戦いを挑むチャレンジ(クエスト)。本番に当たる後者がボス戦という名の山場であるのを考慮してか、試遊においては先にチュートリアルを体験し、そこで大体の動かし方を覚えて挑戦するローテーションで回していた。

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ただ、残念ながら筆者は時間的都合から、チュートリアルを体験するだけで終わってしまった。そのため、ボス戦は他のプレイヤーが遊ぶ様子を眺めただけなのだが……当の相手が画面の半分近くを占めるほど大きく、火力も高めに設定されている感じで、かなり手ごわそうな雰囲気を漂わせていた。特に、これはチュートリアル側で実際に確かめた事柄だが、攻撃のモーションが気持ち遅めに設定されているため、攻め時と引き時を考え、立ち回っていくことが要求されるバランスになっているようだ。また、戦闘終了後には特別なイラスト(シール)を獲得できる「ガチャ」のイベントも用意されていて、様々な格好をした主人公の姿が見れた。ご丁寧にも、各イラストにはレア度も設定(※「★」の数で表示)。現時点でゲーム側への実装が検討されているのかは不透明だが、仮にこのイラストを集めるコレクト要素があるとすれば、やり込み周りが大変になりそうである。

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何が引けるのか試してみたかったのが心残りだが、肝心のゲームの手触りは良好。特に操作感は『MOMODORA 月下のレクイエム』を思い起こす手触りで、三段斬りを決める過程は同作経験者には若干のデジャヴを感じさせられた。また、緑豊かなフィールドとキャラクターの動き、効果音など、デザインや演出周りもふんわり可愛いものになっていて、雰囲気ゲームとしても楽しめる印象だ。

今回のバージョンでは実装されてなかったようだが、特定の場所にフックを引っ掛け、振り子運動の勢いで長距離ジャンプを決めるワイヤーアクションも可能のようで、アクションゲーム好きの琴線も的確に刺激する仕上がりになる予感をさせられる。リリース時期は未定だが、横スクロールのアクションRPG、そして作者の前作を楽しんだプレイヤーなら必見の一本だ。
(シェループ)

SOLDIER STORAGE『あざ恋 ~アザラシと本気の恋してみませんか~』

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あくまでも筆者個人の主観だが……今年度の「デジゲー博」において、最も謎多く、それでいて強烈なインパクトを放っていた作品と言えば本作だろう。
『PRINCESS NIGHT -プリンセスナイト-』を代表作とするクリエイティブ集団「SOLDIER STORAGE(ソルジャーストレージ)」の新作。
その名の通り、アザラシと本気で恋するアドベンチャーゲームである。

「ちょっと何言っているのか分からない」となるかもしれないが、筆者も同じ気持ちである。女性は人間、男性は全てアザラシにアシカ、オットセイと言った鰭脚類(ききゃくるい)という、謎めいたの一言では済まされないほど不思議な世界を舞台とした学園物語が描かれる内容。ゲームとしては正統派の恋愛アドベンチャーになっていて、女性の主人公になって男性……という名の鰭脚類たちとの交流を繰り広げていく形となる。今回、出展されたバージョンではゴマフアザラシの「ゴマフくん」、ワモンアザラシの「ワモンくん」の2人……じゃなくて2匹、いやそもそも単位は人でいいの?匹が正しいんか?どうすりゃええねん!?……と、激しく脱線しては取り乱してしまったが、どちらかを選ぶことによる、2つの異なる展開を確かめられた。その光景は異様としか言い様がなく、普通の人間の女性がアザラシとごく普通の学園生活を送る会話の数々に、何を見せられているのか分からない気持ちになってしまった。

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▲なんだこれは……。(大困惑)

デモ終盤にもアザラシを始めとする鰭脚類の生態系、世界観を紹介するミニコーナーも挟まれるなど、プレイヤーに新たな知恵を授けんとする謎の演出が。また、アザラシの動きは2Dアニメーション専用のソフトウェアで動かしているようで、瞬きひとつにしても、実際のアザラシに忠実な表現をしているようだ。そこまで凝るのか。

リリースは2021年と大分先の予定だが、今回遊べた内容だけでも空前絶後にして、超絶怒涛の怪作になる予感がヒシヒシと感じさせられた。動物を題材にした恋愛アドベンチャーとしては、『はーとふる彼氏』が有名だが、本作は設定が設定だけに、それ以上のカオスをもたらしそうだ。今回、出展されていたのはPC版で、家庭用ゲーム機でのリリースは現時点で未定。ただ、Nintendo Switchでのリリースは前向きに検討されているようで、題材が題材だけに大きな注目を集めそうだ。2021年はアザラシたちが革命を起こす?
(シェループ)

公式サイト: http://www.soldierstorage.com/

VR体験施設の検索サイト「taiken.tv」
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    シェループ(@shelloop

    様々なゲームに手を伸ばしたがる人。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションを与えると喜びます。

    Webサイト:box sentence
    ブログ:Box Diary

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    真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。