京都インディーゲーム祭典めぐり2日目 「メガビットコンベンション」出展作7選

5月20日から21日の期間中、京都にてインディーゲームの展示イベント「Bitsummit」が行われた。その二日目である21日には、Bitsummitと同じ会場、そのひとつ上のフロアにて「Megabit Convention(メガビットコンベンション)」という、もうひとつのインディゲーム展示企画も開催されていた。

そこで展示されていたゲームは、Bitsummitとはまた異なる趣を持つ、特徴ある作品群だ。今回は、そんなメガビットコンベンションの会場でプレイしたゲームの中から、7作品を紹介したい。

先日に引き続き、今回紹介するゲームは開発中の作品だけでなく、既に配信が開始されているゲームもある。気になった作品はぜひ遊んでみてほしい。

ネコネイビー&淀屋橋お嬢様倶楽部

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かわいらしいキャラクターがぶつかり合う非常にゆるい世界観の癒し系ゲームだ。だが、その作りは全くゆるくない。非常に熱いシューティングゲームとして仕上がっている。

Steamでの配信が発表されている本作。気になるSteamでの配信時期についてお伺いすると、現在実績といったのSteamの機能をパブリッシャー側で実装している最中とのことで詳しい発売時期はまだわからないとのこと。また、Steam以外で配信されているものと、ビルドの差もつかないそうだ。配信の関係上ズレが生じる可能性はあるが、どの配信サイトでも安心して購入することができるだろう。

参考:”2DSTGが苦手な人にこそオススメしたい、ゆるくて熱いSTG『ネコネイビー』
 
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加えて、同サークルがメガビットコンベンション用に急きょ開発されたお嬢様FPS『淀屋橋お嬢様倶楽部』は会場で話題だった。

お嬢様となり襲い掛かってくる大量の敵お嬢様たちをマイクロUziでメッタ撃ちにする異色な作品で、プレイヤーの通ったあとは倒したお嬢様たちの血で真っ赤に染まるというスプラッターな内容だ。『DOOM』といった古き良きFPSをオマージュしており、それらの作品にある弾を避けながら大量の敵を倒していく手ごたえが本作でもしっかり感じられた。展示だけにしておくにはもったいない。今後配信を計画されているそうなので、続報に期待しよう。

Million Shells

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インディディベロッパー「FlyteCatEmotion」が開発中のタワーディフェンス型シューティングゲーム。

プレーヤーが操る自機は画面には収まらないほど巨大な戦闘機。画面下部全体が、大きな自機になっており、ここにタワーを設置して続々と現れる敵軍と対峙する。タワーディフェンスでは自動で敵を攻撃してくれるのが常だが、本作は砲台を全てマニュアルで操作するところが特徴だ。発射する砲台をタッチで選択し、次に撃つ場所をタッチすることではじめて攻撃がなされる。地点指定のため当然外れるし、リロードに時間もかかるため、たくさんの砲台を並列で操作しなければ大量の敵を処理することができない。

これだけ大きな自機だと敵の攻撃が絶対当たるのでは?と思うかもしれないが、敵のショットはタッチするだけで消すことができる。ただ、最大15個になる砲台を操作しているとどうしても注意がそれる。広い視野と並列操作が求められる非常に忙しい作品だ。

また、タワーの設置、強化に使うポイントが自機のHPと共通になっているところもポイントだ。強化すれば敵を効率的に倒せるが、強化しすぎるとHPが減ってしまいやられるリスクが高くなる。さらにはこのポイントを大量に使うことで発動する必殺の一斉射もある。上記の並列処理にリスク管理までついてくる、手ごたえのある作品だ。

本作は本来PlayStarion Mobileでリリースされる予定のものであった。だが、ご存じのとおりPSMはサービスを終了してしまった。PlayStarion Vitaというコンソールを極限まで活かし、PSMという市場を引っぱっていこう!と意欲を燃やしていたそうだが、サービス終了でその夢は道半ばで途絶えてしまったそうだ。だがそこで終わることなく、現在まで開発を続けてこられた。すさまじい熱意である。

本年の東京ゲームショウあわせで配信、もしくは発売日発表を計画しているそうだ。熱意溢れる本作の今後に期待したい。

PHRASE FIGHT

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同人ゲームサークル「超OK」が開発中のリズム対戦ゲーム『PHRASE FIGHT』は指示に従ってリズミカルにボタンを押すシンプルなリズムゲームだ。

格闘ゲームになっているのが特徴で、画面上部に表示された音符に合わせてボタンをタイミングよく押すと対戦相手のキャラクターを攻撃して後ろに押すことができる。交互に同じリズムを刻み合い、最終的にどちらが対戦相手を押し込めていたか、つまりどちらがより確実にリズムを取れていたかどうかで勝敗が決まる。現在はタイミングの合い具合を4段階で評価しているそうだが、今後はより段階を細かく分ける予定とのこと。細かい判定になることで、対戦もより熱くなるはずだ。

ボタン一つで操作できるうえ、ルールも明快で面白い。完成が待ち遠しいタイトルだ。開発のcoolstepさんはTwitterにて感想や要望を募集している。プレイした方はハッシュタグ#PHRASEFIGHTで要望をつぶやいてみるといいだろう。

本作は年内にPC版の完成を目指している。完成後はNintendo Switchへの移植のための活動を始めるそうだ。どこにでも持ち運べる、Joy-conをシェアしてみんなと遊べる、というSwitchの長所が確かに本作のコンセプトとがっちりとハマる。ぜひともがんばってほしい。

常世ノ塔

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//commentout」の制作する『常世の塔』は何度でも楽しめる、ハードコアなプラットフォーマーアクションゲームだ。

プレーヤーは魔界のメイド「ココア」を操り、危険な敵や罠で溢れる塔を上へ上へと昇っていく。ココアはMPを消費しての魔法しか攻撃手段を持っておらず、しかもこの魔法は連発できない。ここぞというタイミングでしか敵に反撃することができないのだ。であるというのに、敵は全く攻撃の手を緩めてくれない。MPは時間で自動回復されるので回復を待って先に進む作戦も思いつくが、同じ場所に留まれば強力な悪魔が発生する。少しくらい手加減してくれてもいいのでは……?高い難易度でプレイヤーを待ち受けるハードな作品だ。

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本作の大きな特徴は塔、ステージの構成が毎日サーバー側で自動生成されてプレーヤーに配信されるというところだ。毎日構成が変わる塔をいかに高く登れるか?世界中のプレイヤー同士が競い合う作品というわけだ。プレイヤーが死亡した箇所は記録され、お墓が立つのだが、このデータもサーバーを介して共有され、全世界のプレイヤーがどこで死んでしまったのかわかるようになる。

ハードコアなアクションゲームファンは世界中にいる。この作品も注目を集めることになるだろう。年内のリリースを予定しており、Steamでの配信を計画しているそうだ。世界のプレイヤーと塔をめぐる競争が始まるのはもう間もなくだ。

さて、海外では女の子の格好をしたかわいい男の娘を「トラップ」と呼んで、アニメで出てくるたびそんなまさかファックと騒いでいるそうだ。本作はたくさんの罠が待ち受ける作品である。ココアは男の娘。ココアちゃんではなくココアくんだ。こんなにかわいい子が女の子なわけないだろう?海外のプレイヤーがこのトラップに引っかかるのが楽しみだ。

GRAZE COUNTER

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『GRAZE COUNTER』は同人ゲームサークル「びっくりソフトウェア」の開発する危険行為推奨縦スクロールシューティングゲームだ。GRAZEと名の付く通り、敵弾をかすりにかすって窮地を打破する作品だ。

この作品の特徴は、敵弾に接近することで放てる必殺技グレイズカウンターと、グレイズカウンターで敵を倒すことで発動できるブレイクモード、この2つの組み合わせによる危険に飛び込みチャンス切り開くゲームシステムだ。

本作では自機を敵弾に接近させ、かすめればかすめるほどグレイズゲージが貯まる。これを消費することで強力な必殺グレイズカウンターを発動できる。グレイズカウンターは敵を一瞬で屠る威力を誇る上に、ゲージを満タンまで貯めて発動する無敵状態になる。あえて敵弾に近づく危険を冒せば冒すほど、敵を倒しバンバン倒して有利に立つことができるというわけだ。さらに、グレイズカウンターで敵を倒すことで得られるアイテムを集めると、自機能力を高めるブレイクモードを発動できる。危険に自ら飛び込むことで、それが逆にチャンスとなる作品なのだ。

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作者曰く「どんどん強い攻撃を放ってごり押しできるSTGを作りたかった」とのこと。狙い通り強力な攻撃をガンガン使用でき、ストレスを感じさせない爽快感のある作品に仕上がっている。本年7月Steamで配信予定なので、シューティングゲーム好きはぜひチェックしておこう。

ちなみに、画面に映っているメガネでセーラー服のキャラクター銀寄卯月は男の娘だそうだ。え?なに?男の娘が流行ってるの?

マヨナカ・ガラン

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マヨナカ・ガラン』は『わすれなオルガン』『真夜中は星づくよ』など製作したサークル「CAVY HOUSE」の新作ノベルゲーム。演出にこだわり、ただの立ち絵でなく3Dモデルのキャラクターが映画のように画面上で演技するのが特徴の手間のかかった作品だ。

舞台は古くより隠れキリシタンが住んできた大臼村。牧師である橘はもるるは村おこしのため、村の歴史と民話をまとめる依頼を受けこの村を訪れる。村は念願の大聖堂の完成に沸く真っ只中。はもるるは村人の信頼を得て、村おこしを順調に進められると思われた。だが、そのすぐそばに不穏な影が忍び寄っていた……。プレイヤーは橘はもるるを案内する村の者となり、奇妙で恐ろしい事件へと巻き込まれていく。

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本作はノベルゲームとしては珍しくVRに対応している。VRで遊ぶノベルゲームというまだ他では見ない演出に挑戦し、新たなVRの楽しみ方を示す作品にしたいとのことだ。しかもVRと通常のモードでは表現をまるっと変え、別々の演出を用意している。通常は映画のようなカメラワークを意識しているが、VRモードでは案内役の視点で物語が展開される。プレイさせていただいたが非常に興味深い演出だった。完成が待ち遠しい。

本作は今年の夏コミでリリース予定。夏コミ後に、SteamとOculusストアでの配信も計画されている。体験版も配信されているので、興味のある方はぜひプレイしてみるといいだろう。

ノナプルナイン

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「Painfulchild」の開発する『ノナプルナイン』は以前から同人イベントなどで注目を集めている開発中の探索アドベンチャーゲームだ。ビルの一室に監禁された主人公となり、モニター越しに記憶喪失の少女に指示を出し彼女の記憶に隠された謎に挑む。

オフィス街で起きた頭部破裂事件と被害者の勤務先が行っていた人体実験、そして32階だけがループするビルの謎。それらの事件を解き明かす鍵は消えた彼女の記憶にある。もし彼女の記憶を取り戻せなければ、主人公と彼女は殺される。
 
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本作はノベルゲームをより多くの方に楽しんでもらうため、横スクロールのポイントクリック形式を採用したそうだ。他にも細かい部分までグラフィックやイベントを作りこんでいるようで、アニメーションシーンをたくさん用意し、探索する資料のグラフィックといった細い部分までこだわっているらしい。普段ノベルゲームやアドベンチャーゲームに触れない層にも楽しんでもらえるよう、こうした様々な工夫を行っているとのことだ。

多くのインディ作品がUnityやUEといった既存のゲームエンジンを使用する中、自作のエンジンで開発されているというのも野心的だ。

少ない人数での開発でどうしても時間がかかってしまうが、更なるクオリティアップを図るため完成は来年を予定。Steamでの配信も検討しているそうだ。


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    洋ナシ(@younasi

    海外インディゲームの情報同人誌を作っているただのオタクですが、声をかけられゲーム記事を書くことになりました。人生何があるかわかりませんね。そういうことがあるのは、もっとこう絵がうまかったりマンガが面白かったりする人だけだと思ってました。他の執筆者の方のように輝かしい実績はありませんが、世界で初めてSurgeon Simulatorでペン回しに成功したという地味な実績があります。

    ブログ:http://tukedai.minibird.jp/blog/