短編フリーホラーゲーム『Project Kat』さあ、儀式を始めましょう。

超常的な力を身に着けたり、人ならざるものを呼び寄せるために行われる邪悪な儀式というのは、ホラー作品においては定番の存在といえる。その結末は大抵は身を滅ぼすものだが、好奇心や強い願望を前にしては抗えず、文字通りに”魔が差す”のもまた人の性なのだろう。

『Project Kat』はLeef 6010が制作した短編ホラーゲーム。2020年3月14日よりitch.ioにて公開されている。

女学生の他愛のないおまじない?いいえ、それは違う。

人気の無くなった深夜の校舎。その一角の小さな部室で”こっくりさん”に興じる女学生たち。突然の物音にお化けが出たと慌てふためくが、しかしそこに現れたのは同じく学校の生徒である少女Katだった。
Katは「オカルト同好会の新入部員だ」と口では言いながらもオカルトなど信じない、という風の態度を装うが、彼女が同好会に近づいたのは、ある”儀式”を執り行う為だった…

『Project Kat』ではプレイヤーはKatとして、RPGのように見下ろし視点で夜の校舎を探索しつつ、儀式に必要な段取りを進めていくこととなる。儀式に必要な手順や物品はアイテムとして持っているメモにまとめられており、次に何をするべきかの目標もメニューから一覧形式で確認できる親切設計。こまめにメニューを確認しながら進めて行けば途中で行き詰ることはまずないだろう。

恐怖はある。でも惹かれる、闇へと。

本作では辿り着く結末こそひとつであると明言されているが、ちょっとしたパズルが用意されているほか、儀式に必要な材料をどこから調達してくるかといった道筋については様々なやり方が用意されている。中でもアイテムのひとつ「髪の毛」は、Katが自身の髪の毛を使おうか躊躇するセリフが出てくるなど、その代表例と言ってもいいだろう。様々な方法を試してリアクションを楽しんでみるのも一興だ。

作中の雰囲気としては、脅かし要素やおどろおどろしさというよりも「妖しさ」が引き立っている。ミステリアスな雰囲気を漂わせているKatというキャラクターはもちろんのこと、怪異を引き起こそうとすることに能動的に取り組む点、窓を閉め、机を並べ替え、床に模様を描き、ろうそくに火を灯す…といったひとつひとつの手順を踏んでいく過程が、どこか「いけないことをしようとしている」という背徳感を感じさせてくれる。

そして儀式の先に待ち受けているものは……真実を確かめる心の準備は、できているか?

日本語化パッチあり。英語に臆する心配は無用

ここまでのスクリーンショットを見ても分かる通り、本作は全編英語である。アニメ調のフリーホラーゲームとしては比較的珍しい海外制作という点も目を惹く作品となっている。

他方で様々な言語へのファン翻訳が行われており、開発者ブログにおいてもこれらファン翻訳について取り上げられている。日本語についても、ささざき氏による非公式日本語パッチが公開されているので、英語に自信が無いという人はパッチを導入した上でプレイするとよいだろう。

[基本情報]
タイトル:Project Kat
制作者: Leef 6010
クリア時間:  45分~
対応OS: Windows, MacOS, Linux
価格: フリーウェア

↓ダウンロードはこちらから
https://leef6010.itch.io/projectkat


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    真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。