平安貴族の気分で絵合わせ。カードゲーム『托卵』その名前に込められた意味とは

カードゲームと聞いてどんなものを想像するだろうか?『ポーカー』や『ババ抜き』のようなトランプゲーム、『マジック:ザ・ギャザリング』や『遊戯王』のようなトレーディングカードゲーム。いずれも数十枚の大量のカードを使用し、対戦するものが一般的ではないかと思う。筆者も昔遊んだ何作かのゲームカード数千枚が束になって眠っている。
しかし、要素も枚数も少なくてもしっかり楽しませてくれる作品もあるのだ。

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今回紹介する托卵はカード枚数20枚、4人専用のカードゲームだ。
ゲームの目的は、4人各々が5枚一組になる絵札を揃える。これだけだ。

絵札は『花鳥風月図』 『武者合戦図』 『百鬼夜行図』 『菩薩来迎図』の4種類

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扇に描かれたような美しい描き下ろしイラスト

ルール説明

1:シャッフルした絵札を4人のプレイヤーに5枚ずつ配る
2:手番のプレイヤーは他のプレイヤー1人を指名し、1~5枚の手札を同枚数で交換する(この時に双方欲しいカードは言ってはいけない)
3:これを順番に繰り返していき、1人2回ずつの手番が終わった時点で全員の手札の絵柄が揃っていればクリアだ。

それぞれの絵札にはタイトル、壱~伍までの数字、タイトルに沿った絵の一部が描かれている。

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こちらは花鳥風月図の壱番札

例えば最初に配った時に【武者合戦図】2枚、【花鳥風月図】1枚、【百鬼夜行図】2枚という風に手札を持ったとしよう。

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最初は誰がどの札を持っているか分からないので、向かいのプレイヤーと【百鬼夜行図】2枚を交換してみる。

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【武者合戦図】【花鳥風月図】が1枚ずつ来た。
これで【武者合戦図】3枚、【花鳥風月図】2枚という2種類になった。
上手く交換出来れば徐々にカードが揃ってくる。
以上のような流れが2順することになる。

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最終的にこのように一組の絵になった絵札を4人全員が持つことを目指す。

説明書の挿絵には「そちと二枚交換でおじゃる」と言う雅な平安貴族達が描かれている
真似して言ってみると気分も高まる・・・かもしれない。

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何故『托卵』というタイトルなのか?

-[托卵] 主に鳥類などが卵の世話を他の個体に任せる習性-

正直、この美しいカードイラストに惹かれて購入したので、気になりながらもこのタイトルの『托卵』がどういう理由でつけられたのか分からなかった。
しかしプレイしていくうちに、その謎は解けた。

筆者が初めてプレイした時は、自分自身が揃えたいカードに意識が集中してしまっており、中々揃わなかった。

恐らく他のプレイヤーも同じ思いだったのではないかと思う。
互いに渡して欲しいカードを言うことは出来ない。手番で交換できるのも2回のみ。
この制約で思った通りに自分の手元へカードを揃えることは難しいのではないか・・・。

そこではたと気付いた。
これは自分の手札を揃えるゲームというより、揃えて欲しいカードを相手に渡し、その絵柄を育ててもらうゲームなのだと。

なるほど!確かにこれは自分の卵を他者に成長させてもらう托卵だ。皆が誰かに托卵をしていく。
各々が揃えたい絵柄を揃えていっても勝てない。まさに4人専用“協力”ゲームなのだ。
ルール上欲しい絵札は言うことはできないが、「もうちょっとで揃う!」などと言ってみたり、交換した時に相手が渋い顔をしていれば自ずと誰がどのカードを持っているのかは見えてくる。

ただただ○枚のカードを交換という作業を繰り返しても、手番は2回だけなのでクリアすることは難しい。
一緒にプレイしている相手とコミュニケーションをとることによって格段に成功率は上がってくるのだ。
アナログゲームならではのシステム外の力が強力に働く。
ぜひ、絵札が見事に揃った時の快感を味わっていただききたい。

カードの枚数は20枚で持ち運びも苦労することなく、1ゲーム5分程度で終わるので、ちょっとした時間に遊ぶにはぴったりのゲームではないだろうか。

このゲームを制作したTRYGOODは他にも、デートに誘った女性がどんな下着を身につけてくるか推理して当てるというゲーム『カノジョが下着を決める5つの理由。』や、出題者の絵描き歌からお題を当てる『まるかいてちょん!』など、聴いただけでどんなゲームか遊んでみたくなるような様々なゲーム制作を行っている。ぜひ一度ご覧いただききたい。

[基本情報]
タイトル 托卵
制作者 TRYGOOD
プレイ人数 4人
プレイ時間 5~20分
価格 1500円 TRYGOOD STORES

VR体験施設の検索サイト「taiken.tv」
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    おこげ(@orokoge

    デジタルゲームで一番プレイしたのは『ワールド・ネバーランド』初期2作。現在はゆるふわボードゲーマーとして僻地高知でマンガをメインに雑多な趣味で広く浅く活動中。