「TOKYO SANDBOX 2019」で見つけた注目のインディゲーム12選+α

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4月6日・7日の2日間にかけて、インディーゲーム展示イベント「TOKYO SANDBOX 2019」が開催された。今年は再び秋葉原に会場が戻り、ベルサール秋葉原2Fホールにてのべ80組120作品の展示が行われ、両日ともに大勢の来場者で賑わっていた。

もぐらゲームスでは2日間に渡り会場での取材を実施した。その中で遊ぶことができた作品から注目作品を12作品ピックアップして紹介する。

前回のTOKYO SANDBOXの様子はこちら。
「TOKYO SANDBOX 2018」で見つけた注目のインディゲーム10選

シューフォーズ

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『シューフォーズ』は大学生チーム「ブイブイラボ」による1on1形式の対戦アクションゲーム。PC版を中心に開発が進められており、リリースは今年の秋~冬ごろに予定されている。
各プレイヤーはUFOを操って木箱をパンチで破壊し、木箱の中からターゲットとなっているアイテムを探し出して、トラクタービームでアイテムを吸引しつつ自陣のゴールへ運べば1点獲得。3点先取で勝利となる。
対戦前には使用キャラクターを3人の中から選択でき、それぞれ移動スピードやトラクタービームで持ち上げられるパワーが異なっている。

上から降ってくる木箱にUFOが押しつぶされてしまったり、対戦相手の上からパンチを浴びせて直接妨害したり、トラクタービームでターゲットをひっぱりあったりとUFO同士での取っ散らかりまくりの大乱闘が繰り広げられる。会場でも笑顔の絶えない白熱した対戦プレイの様子が見受けられた。
ポイントとは関係がないアイテムでもゴールに放りこめば自分のゴールの高さが低くなるため、どんどんキャトってバトルを有利に進めよう。

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賑やかなバトルを彩るポップな色使いアイテムのシュールさも本作の魅力的な点のひとつ。ターゲットとなるアイテムにはオスカー像やシャチホコといった”金ぴか”以外にも「令和」と書かれた色紙が選ばれることがあり、新元号に合わせた時事ネタを織り込むフットワークの軽さが垣間見えた。

Website:https://twitter.com/vvlabo

RE PAINTER

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『RE PAINTER』はこーひーあーる氏制作の見下ろし視点の2Dアクションゲーム。「KAWAII」が正義とされる抑圧された世界で、冴えない絵描きの主人公が4人のKAMIESHIを腹いせに倒しに行く…という、趣味でイラストを描いて公開していたことのある人には含みのあるバックストーリーとなっている。

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本作の最大の特徴は事前にイラストを描いておき、描いたイラストがそのまま攻撃手段となること。会場では液晶ペンタブレットをディスプレイとして展示を行っており、イラストを画面に直接描くことができた。フリーハンドの他にも多彩なペンの種類が用意され、イラストが苦手な人でも様々な図形や模様を簡単に描くことができる。

イラスト攻撃はイラストの「描き順」をトレースするため、凝ったイラストを描くとかえって攻撃を敵に命中させにくくなるという一面も。逆に攻撃としては使いにくいイラストをどうやって当てにいくかを模索する楽しみ方もできるだろう。
またプレイヤーのみならず、敵であるKAMIESHI達もイラスト攻撃を放ってくるため、攻撃の軌跡を読んで回避していくことが重要となる。

本作は2019年内リリースを目標に開発が進められている。開発者のこーひーあーる氏は展示の横でしきりにメモを取っており、更なる作品の改良に意欲を燃やす姿が印象的だった。

Website:https://coffee-r.itch.io/re-painter

Rain City

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キュートなネコのフェイスマスクでお出迎えしてくれた株式会社ORENDAのブースでは、そのネコが主人公のアドベンチャーゲーム『Rain City』の展示を行っていた。上海に籍を置きiOS/PC向けのアドベンチャーゲーム『見失い島(Isoland)』シリーズ等を開発しているCOTTON GAMEによる作品で、日本語を含む複数の言語に対応している。
温かみのなかに切なさの混じった絵本風のビジュアルが大きな特色となっている。

主人公であるジャーナリストのネコは、失踪してしまった妹を探すために「雨の降り続く街」を訪れる。街の住人達との会話やアイテム探しを通じて妹の手掛かりを追うほか、途中にはリズムアクションなどの複数のミニゲームが盛り込まれている。
会場では妹の住んでいたマンションを訪れ、住人たちに聞き込みを行うところをプレイすることができた。ウサギ達のどんちゃん騒ぎに潜り込むべくネコがウサギのフードを被って変装を行うという、ちょっと滑稽な一幕も。

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対応プラットフォームはPlayStation4ならびにNintendo Switch、リリース時期は”雨の季節”を予定しているとのこと。

Website:https://orenda.co.jp/works/raincity/

テンピーポーテンカラー

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ケミカルプリン『テンピーポーテンカラー』は、ひたすら前進を続ける十人十色な「ピーポー」達を出口まで誘導するパズルアクションゲーム。
プレイヤーが操作できるのは「背景の色」。画面をタップしてカラーパレットを選択することで背景の色を変更し、カメレオンのごとく足場やピーポー達の色と背景の色を一致させ保護色にすることでその場から一時的に消し去ることができる。

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ステージ内は物理演算が働いており、壁を消し去ってピーポー達の通り道を作るといったほかにも、足場を止めているピンを片側だけ消し去り、足場をスウィングさせてピーポーを打ち出すなどステージはバラエティ豊か。指一本の単純操作でゆったり遊べるパズルゲームとなっている。

『テンピーポーテンカラー』はAndroid向けに今春リリース予定。
また、本作は「Unity1週間ゲームジャム」に提出された作品が原案となっており、原案となる作品はフリーゲーム公開サイト「unityroom」上でプレイ可能なので、待ちきれないという人はこちらをプレイしてみるのも良いだろう。

Website:http://www.chemicalpudding.com/

WATERING!(仮)

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3DCGアニメの先駆者の一人として知られているアニメーション監督・ロマのフ比嘉氏がゲーム開発に挑戦中の「DIZEGEAR GAMES」レーベルのブースでは、既にリリース済みの『TOSS CAT』の他、開発中の作品である『WATERING!』(仮)が試遊できた。
『WATERING!』(仮)は箱の中に注がれた水をこぼさないようにゴールとなる花瓶へと誘導していくアクションパズルとなっている。水を運ぶにあたっては、時には慎重に、時には大きく箱を傾け、窪みから窪みへと水を中継していくことが重要になる。

ゴールまで水を運ぶだけという単純なルールに加えて、操作も画面上で指をスライドさせて箱の角度を変えるのみとどこまでもシンプルだが、箱を深く傾ければ勢いよく飛び出し、素早くひっくり返せば真っ直ぐ落ちるなど水の動きの心地良さに力が入れられている。残念ながら写真ではその様子をうまく捉えることができなかったため、上記のロマのフ氏のtwitter上の動画から動きを確認してみてほしい。

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花瓶に注ぎ込むことができた水の量に応じて花が咲き、ステージクリア時の評価点となる。
本作はスマートフォン向けに今春配信予定となっている。

Website:http://dizegeargames.com

まつろぱれっと

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SleepingMuseum『まつろぱれっと』はスマートフォン向けのアドベンチャーゲーム。2019年配信予定となっている。
意志を持つ呪いの絵画に描かれた少女に殺されないようにするため、犠牲者たちが残したネット掲示板のログをヒントにモチーフを探し出し、夜な夜な現れる怪物から色を塗るために必要な絵の具を採取しつつ、少女が満足いくものを描き足していくことになる。
会場では導入部として空腹を訴える少女へリンゴを描き渡すところまでをプレイすることができた。

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リンゴだからといってネット掲示板の書き込みをよく読まないまま赤い色で塗ってしまうと陰惨なことになってしまう。
色の悪いリンゴを渡せば喰わされて死に、皮を剥いていないリンゴを渡せば自分の皮を剥かれて死ぬ…というように、死にっぷりのバリエーションもある意味で見所。マルチバッドエンドを堪能できる一作だ。リリースの暁にはぜひ我儘暴力女であるところの彼女にボコら
(記事はここで途切れている)

Website:http://sleepingmuseum.info/matsuro/

SKYARM

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大学生で個人ゲーム開発者のハズキ氏制作によるワイヤーアクションゲーム。右手に装着したワイヤーフックをビルのベランダ、窓の縁などに引っかけ、その反動で空を舞いながら、左手に装着した武器で敵を倒していく。空中が舞台のため、地上(ビル最下部にある雲より下)に落ちてしまうとゲームオーバー。そうならないよう、常にフックを射出してビルの各所に引っかけ、宙を舞いながら戦っていくプレイスタイルを最大の特色としている。

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……のだが、これが熟練のアクションゲーム好きでも面食らうこと確実の手ごわさ。フックを引っ掛けた後の反動がものすごく、さながらロケットのごとき勢いでプレイヤーキャラクターが飛んでいくのだ。しかも、その状態で敵への攻撃を実施しなければならないので、僅かでもタイミングがズレれば豪快に外れてしまう。仮に命中させたとしても、今度はフックをビルに引っかけての落下防止に取り組まねばならなくなるという一難去ってまた一難。LRボタンの方向に沿って繰り出される攻撃、(コンマ1秒単位ながら)連射不可能に設定されたフック射出など、操作周りも独特で、制御の難しさを際立たせている。

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しかし癖が強い分、フック射出のタイミングなどが分かってくるにつれ、”蝶のように舞い、蜂のように刺す”華麗で爽快なアクションができるように。反動のすごさも、慣れてくるとその圧倒的なスピード感が気持ちよくなってきて、落ちずにずっと飛び続けたい欲求が増していく。操作するキャラクターも四人いて、それぞれに特徴的な武器が用意されているほか、ワイヤーフックにも様々なバリエーションがあり、組み合わせによって全く異なるアクションを楽しめたりと、やり込み度も高い。

現時点での開発進捗率は50%程度で、展示で遊べたのは延々と敵を倒し続ける持久戦ことエンドレスモードだった。今後、ステージや敵バリエーションの増強を図ったり、ストーリーを設定するなりして磨き込んでいくようだ。癖のあるアクションを持ち味としているなりの、自分の手で制御できるようになった時の嬉しさと快感は現時点でもバッチリで、これからの発展に期待させられる一本。甘い気持ちで触れば奈落の底行きとなる、鋭く尖った作風も素敵なだけに、仕上がりが楽しみだ。

Website:https://hazukimaru.wixsite.com/skyarm

Square Weapon Dungeon

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「ニコニコ自作ゲームフェス2018」の一般部門大賞に選ばれたパーティアクションゲーム『蹴落とし!トレジャーハンター!』の制作者である飛竜翔氏(WINGLAY)の新作で、ローグライクアクションRPG。先日、UNTIESからの発売が告知されたNintendo Switch版『蹴落とし!トレジャーハンター!』と同時展示されていた。作者いわく、同作の箸休めで作ったものだとか。制作期間は四ヶ月ほどで、開発進捗率は60~70%。

基本的に剣、槍、斧の三種類の武器を用い、敵を倒したり、罠を潜り抜けたりしながら最深部へと潜っていく。階層はアクションゲーム風に構成されたステージがシャッフルで選ばれる仕組みで、それぞれ特徴的な仕掛けと固有の攻略法が設定されている。道中には敵も出現し、倒せば経験値を獲得。一定量に達すればレベルが上昇する。ただ、戦闘では攻撃の度に「スタミナゲージ」を消費。力任せに攻め込もうとすると攻撃ができなくなり、自動回復するまでの間、回避に専念することになる。レベルが上がるにつれ、スタミナの最大値は上昇していくが、体力が尽きればローグライクのお約束に基づきリセット。同時に武器も失われ、最初からやり直しになる。しかも、本作は制限時間もあり、これが0になった場合もゲームオーバーに。階層を進める度に30秒がプラスされ、少しずつ余裕が出てくるが、逆に言えば急いで進めればキャラクターの強化が遅くなり、強化を優先すれば時間切れの危険性が増加。挙句、特定階層で発生するボス戦でも制限時間は据え置き。ボス当人もかなりの耐久力を誇るので、満足に時間が残っていなければ勝ち目はない。

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ただ、どの階層からも次の階層へと進む「ワープポイント」経由で拠点へ戻れる。拠点に戻れればレベルはそのまま、さらに手に入れた武器も持ち帰られる。特に武器は深い階層ほど強力な武器が手に入るので、それを拠点に持ち帰って最初からやり直せば、制限時間に余裕のある状態で深みへと潜っていけるように。そんな時間を意識した攻め際と引き際を考える戦略性、強い武器を手に入れ、力任せに暴れるトレジャーハントの楽しさが凝縮されたゲームデザインとバランスが最大の特色で、黙々と時間を忘れてやり込んでしまう高い中毒性を魅力としている。

何でも制作を始めて間もない頃、制限時間のシステムはなく、つい最近に実装されたものらしいが、結果的に緩急のある展開が光るローグライクに仕上げられていて、他の同ジャンル作品にない個性と面白さを感じ取れた。ボリュームも階層数は無制限を予定していて(※一応、ゲームクリアのゴール地点は存在する模様)、やり込もうとなればほぼ一生遊べてしまう底なし沼な内容になるとのこと。難易度も特にボス戦は相手の動きを読み取る戦術、レベルと装備の質を問うバランスを基本としていて、手に汗握る戦闘を味わえるようだ。操作性も良好で、コマンド入力による必殺技も用意されているなど、一つのアクションゲームとしても楽しめる魅力がある。

予定では2019年5月にSteamにてPC版を配信予定とのことだが、間に合うかは怪しい模様。しかし、突き詰めることで個性の強いローグライクになり得る可能性を強く感じたので、このまま不足している要素を追加したり、バランスの調整をじっくり行って完成に漕ぎ着けることに期待したい。
なお、『蹴落とし!トレジャーハンター!』同様、将来的にはNintendo Switch版も出せればとの展望も語られていた。同ハードの携帯モードとローグライクの相性は『ドラゴンファングZ』、『アルケミックダンジョンズDX』など、同ジャンルの作品で証明済みなので、実現の時が楽しみだ。

Website:http://www.winglay.com/

テトラバッシュ

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RPGツクール製ホラーアドベンチャーゲームの傑作にして、家庭用ゲーム機版の発売にアニメを始めとするメディアミックス展開も盛んに実施された『コープスパーティー』で知られる「チームグリグリ」による新作。2006、2007年にWindows 2000 / XP用ソフトとして発売された同名作品のリブートでもある

件の旧『テトラバッシュ』は、トレジャーハンターの主人公を操作し、軍に捕らわれた姫君を救出し、遺跡の財宝を手に入れるのを目的とした探索型のアクションRPGだった。リブートとなる本作は、パズルアクションゲームへとジャンルを一新。「マテライズキューブ」なる橙色のアイテムを規定数集め、ゴールとなる出口を目指す、どこか懐かしい手触りを特徴とした作品になっている。主人公も旧バージョンでは男性だったが、本作では女性と思しきキャラクターへ変更。グラフィックも3DCGをドット絵へ起こしたものになり、ゲームシステム共々、懐かしさを醸し出している。これら旧版から多数の変更が実施されていることから、制作メンバーの間では『テトラバッシュ』の名のままで大丈夫なの、との議論も起きているとか。会場で案内を務められていたオガワコウサク氏曰く、最終的にはサブタイトルが付くか、別の題名に変わるかもしれないようだ。実際、探索型アクションRPGからパズルアクションへ刷新されている時点で、別のゲームの印象が強く、筆者としては旧版との関連を匂わす、新しいタイトル名が相応しいのではないだろうか……と、思いました。以上、個人差のある意見でございます。

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今回の展示では基本操作とルールを学べるチュートリアル、本番ステージの一部をプレイできた。遊び心地はまさに昔ながらのパズルアクションで、特に敵を倒す時に用いる武器アイテム「ナイフ(短剣)」がユニーク。拾って投げ、また使いたい時は拾うという、いい意味で煩わしい仕組みで、一緒に持つことのできない「箱(※高い足場に上る際の台、スイッチの重しなどに用いる)」と、どのような順序で使い分けるかを考えるのが面白い。ジャンプで敵を飛び越したり、スイッチのON/OFFによって現れたり、消えたりする足場を渡るなど、タイミングが要求される場面も多々あり、アクションゲーム特有のスリルもバッチリ。「マテライズキューブ」も厄介な所に配置されているほか、それを集めることで開放される出口(ゴール)も、ステージによっては複数存在し、選んだ種類によって以降の展開が変わる仕掛けも。主人公も敵、トラップに接触すれば即ミスになるので、適度な緊張感がある。

リリースはPCで予定されている。ステージの数は最終的に80以上を予定しているとのことで、ボリュームと遊び応え共に申し分のない内容になりそうだ。旧版の探索型アクションRPGから方向性が大幅に異なるものの、分かりやすくも頭を悩ませるパズルとアクションで楽しませてくれそうな一本。この種のゲームが好きなプレイヤーなら要注目だ。

Website:http://www.gris2.com

フライングガールストライカー

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その昔、X68000、スーパーファミコン、メガドライブでゲームを開発していた古株のゲームクリエイターで、個人開発者のtani氏が制作した、iOS/Android向け3Dシューティングゲーム。戦闘機上で仁王立ちの女の子が特殊なライフル片手に空、宇宙空間で激しいドッグファイトを繰り広げるという、題名が現す通りのシュールな設定が異彩を放つ。

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しかしてその中身は、正統派の3Dシューティング。通常攻撃の「バルカン」、ロックオンした敵に追尾攻撃を実施する「ロックオンレーザー」の二種類の武器を駆使して、迫りくる敵を撃ち落としながらステージを進む、安定感のあるゲームプレイで楽しませてくれる。左手のスワイプで自機を制御し、右手側でバルカン、ホーミングレーザーを射出する操作性もスマートフォン、タブレットに最適化されたものにまとまっており、違和感なく自機を縦横無尽に動かせる。展示でもスマートフォン、タブレットそれぞれでプレイできたが、どちらも動かしていて煩わしさを感じず、画面いっぱいに繰り広げられるドッグファイトに没頭できた。ステージ構成も空中と地上から襲い来る敵、目まぐるしく変化する背景など、3Dシューティングの醍醐味を押さえた作りで、終盤に登場するボスは動きに応じてカメラワークも激しく揺れ動くなど臨場感、迫力共に満点。効果音、爆発エフェクトを始めとする演出全般もそれらを引き立てており、自機の操作、そして敵を撃墜するだけでも楽しいと感じられる気持ちよさが満ちている。何より、これほど凝った3Dシューティングを個人で作っているというのであるから驚きだ。

随分とユニークな自機だなと、筆者が会場で本作を目にした時はイメージビジュアルに関心が集中し、その珍しさに惹かれる形で遊ぶに至ったのだが、そんな印象を持っていたからこそ、3Dシューティングとしての堅実な作りと完成度の高さには大変驚かされた。自機のアクションは移動とバルカン、ロックオンレーザーと少なめで、欲を言えば、高速移動(緊急回避)系のものもあるとれば、より楽しくなりそうに感じもしたが、スマートフォンとタブレット、どちらでも自然に動かせる操作は一度でも体験してみるだけの魅力が詰まっている。特に90年代前半から後半にかけ発売された、同ジャンルの作品が好きだったプレイヤーの琴線を大いに刺激する一本。既に制作は佳境で、4月末から5月にかけ、リリース予定とのことなので、動向に興味があればtani氏のTwitter、並びに氏の個人スタジオ「stardia」の公式サイトを要チェックだ。

Website:http://stardia.net/

Katana ZERO

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一昨年に『LIGHTFIELD』昨年に『Dimension Drive』と『Floor Kids』を出展した架け橋ゲームズ。今年は新たなボスとエリアを加える大型無料アップデート「Rise of the Giant」が配信されて間もないローグライク探索型アクション『Dead Cells』、2019年4月18日にNintendo Switch、PC(Steam)にて配信予定の新作アクションゲーム『Katana ZERO』の二本が展示されていた。

『Katana ZERO』は『Tower of Heaven(天国の塔)』、『Pause Ahead(ポーズアヘッド)』などで知られる「Askiisoft」制作、「Devolver Digital」販売によるスタイリッシュ斬撃アクション。裏社会で「ドラゴン」と恐れられる、銃弾をも跳ね返すカタナを振るう主人公を操作し、闇の人物を始末しながら雇い主より請け負った任務の遂行を目指す。
幾つかのフロアで成り立つステージを進んでいく正統派の構成だが、常にカタナによる一撃必殺で敵を確実に始末しながら進むのを基本とした、瞬時の判断が試される高難易度が特徴。主人公も敵の攻撃を一発でも受ければ即座にやられてしまうので、戦況を素早く読み、居合斬りを決める感覚で突撃していくことが求められる。また、主人公は周囲の時間を圧縮して遅くする「予知能力」を持っており、これを用いて敵の先手を防いだり、時には銃弾を跳ね返して回避する離れ業も可能。だが、使用制限(回数、時間)があるため、力押し目的で用いると、逆に不利となることも。確実に決めたい、倒しにくい敵を安全に始末したい時に使うなど、状況を見極めた上での活用が求められてくるようだ。

他作品の名をあげるが、プレイ感は横スクロール版ホットラインマイアミ。敵の攻撃を一回でも喰らえば即死、その後、高速でチェックポイントから再開される(巻き戻される)、激しめの出血エフェクトにおいて、同作へのオマージュが見受けられる。しかし、予知能力による銃弾跳ね返しなどの離れ業、軽快な操作性、分かりやすいステルス要素、起伏に富んだステージ構成も相まって、独自の遊び心地を実現している。世界観、ストーリーも魅力的で、イベントデモでは会話の選択肢によって以降の敵の出現数が変わる要素も。さらに選択肢には制限時間が設定されていて、表示間もないタイミングでボタンを押すと、相手の話を完全に無視した強行に走れる面白い仕掛けも。特にステージが進む度に挿入される主人公のカウンセリングシーンで、医者の質問を待たずに「早く薬をくれ」と選び続ければ、完全にヤ●中その人。このような要素もあって、クリア後の周回プレイも楽しめそうだ。

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発売日は2019年4月18日。Nintendo Switch版はマイニンテンドーストアにて、あらかじめダウンロードが実施中だ。手ごわく、(表現面で)苛烈なアクションゲームをお求めのプレイヤーには要注目の一本。同日、Nintendo Switchで発売される『Cuphead』とのセットで、手ごわいアクションゲーム祭りを開催してみませんか。

Website:https://www.katanazero.com/

YUPPIE PHYCHO

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少女のようで実は少年の「ハンス」が、おぞましい城を探索するホラーアドベンチャーにして、Nintendo Switch版も発売された『ルカノール伯爵(The Count Lucanor)』を制作したインディーディベロッパー「Baroque Decay」の新作。本作もホラーアドベンチャーで、サバイバル要素を導入したゲームシステムを特色としている。

ストーリーも異様、且つ珍しさが光る。監視社会と化した架空の90年代。田舎に住む青年ブライアン・パスタナックは、世界有数の大企業「シントラコープ」本社から就職オファーの招待状を受け取る。流れるがまま会社へ出勤したブライアンは、エレベーターに搭乗し、オフィスへ……となるはずが、何故か一般社員でも足を踏み入れることの難しい最上階に招かれる。だが、そこに人の姿はなかった。代わりにあったのは、血文字で書かれた「kill the witch(魔女を殺せ)」のメッセージ。その出来事を機にブライアンはこの企業の裏に巣食う”呪い”と対峙していくことに……というのが、冒頭のあらすじ。

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「サラリーマン+ホラー」、監視社会と化した架空の90年代など、設定の時点で既に面白く、初見の印象を一変させるオープニングでの出来事も相まって、一気にプレイヤーを作品世界へと引き込ませる魅力がある。ゲームも見下ろし視点の探索アドベンチャーと正統派の作りながら、徹底したホラー演出で攻めた作りで、ダメージの概念(並びにゲームオーバー)も存在するだけあって、慎重な行動が求められる。今回出展されていたデモでは、コーヒーメーカーとPCモニターが飛んでくるポルターガイスト現象に襲われる場面があったが(そして、流れるがままにダメージを喰らった)、ゲームが進むと”人ならざる者”も登場する模様。そのデザインも企業内部に巣食う存在ならではの独特な容姿をしており、身の毛もよだつ恐怖をプレイヤーに色んな意味で提供してくるようだ。

『ルカノール伯爵』譲りの日本のアニメを意識したキャラクターデザイン、イベントデモ、そして探索パート時の特徴的なドット絵は本作においても引き継がれており、ホラー要素と絡むことによる異様な雰囲気を醸し出している。丁度、展示されていた場所がステージに近くで、丁度その頃、トークイベントが実施されていた関係でよく聴き取れなかったのだが、音楽は『Va-11 Hall-A』のMichael Kelly氏が担当しているとのことで、楽曲にも期待が持てる。

発売日はPC(Steam)版が2019年4月25日。Nintendo Switch、PlayStation 4版はその後になる。また、日本語対応が明言されているのはNintendo Switch、PlayStation 4版で、PC版は不明。『ルカノール伯爵』は、Nintendo Switch版発売から遅れる形で実施されたので、もしかしたら本作もそちらと同じ過程を辿るかもしれない。
一風変わったホラーアドベンチャーをお求めなら、要チェック。しがない田舎出身のサラリーマンがいかなる形で企業の呪いに挑むのか、そして”魔女”とは何者なのか。先を知りたくなったのであれば、ブライアンと共にこの会社に就職してみよう。もしかしたら、その先でブラック企業以上の”なにか”を目にする……かも。

Website:http://www.yuppiepsycho.com/


最後に今回のTOKYO SANDBOXでは、リリースされて間もない新作の出展が多く見受けられた。中には丁度、本イベントと重なるタイミングでリリースされた作品も。昨年度のTOKYO SANDBOXのレポートでもピックアップした、『ミサイルダンサー』を制作したてらりん氏によるPC向け横スクロールシューティングゲーム『ジェミニアームズ / GeminiArms』だ。

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これまでスマートフォン、タブレット、PC向けに80~90年代初期の香り漂う縦スクロールのシューティングゲームを制作してきた氏にとって初となる、PC特化型の作品。戦闘機とロボットに変形する自機を操縦し、右スティックで攻撃を展開しながら迫りくる敵を撃墜していく、ツインスティックスタイルを取り入れた操作を特色としている(※キーボード+マウス操作にも対応)。また一人プレイ時、CPU操作の二機目の機体がサポート役で同伴し、専用ゲージが溜まれば「合体」が可能となり、一定時間強力な攻撃を繰り出せる一風変わったシステムも盛り込まれている。さらにこの二機目をもう一人のプレイヤーが操縦する、二人協力プレイにも対応。『ミサイルダンサー』で昨年末、アップデートにより搭載されたオンラインランキング機能も実装されている。

こちら、Steamにて2019年4月6日より発売中。2019年4月13日まで、リリース記念で40%OFFの価格で購入できる。PCに特化したなりの意欲的なゲームシステム、テンポの良さが光るシューティングゲームに完成されているので、興味があればぜひ。

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さらに2018年11月のデジゲー博のレポートでもピックアップした、フリーシナリオ方式とアクションゲームスタイルの戦闘システムを売りとする、Nintendo Switch向けロールプレイングゲーム『ARTIFACT ADVENTURE 外伝 DX』も今回のTOKYO SANDBOXに出展されており、発売時期が2019年5月中になることが告知された

さらに、かの有名なインディーゲームとのコラボレーションも発表され、今回のイベントにおいて、特別にその一部を作者のbluffman氏に見せていただいた。率直な感想を言えば、「まさかの!」ゲームだった。そして、コラボレーション実施に当たって、”あの方々”への協力を打診されたとの話に思わず笑ってしまった。

一体、何のゲームとコラボレーションしたのか?そして、”あの方々”とは?
詳細は5月中にお披露目される予定の続報で!

VR体験施設の検索サイト「taiken.tv」
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    シェループ(@shelloop

    様々なゲームに手を伸ばしたがる人。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションを与えると喜びます。

    Webサイト:box sentence
    ブログ:Box Diary

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    真野 崇(@tacashi

    フリーゲームと共に四半世紀を生きるフリゲ馬鹿一代。
    フリーゲームのレビューブログ「自由遊戯黙示録」を経て、自身のフリゲ人生を集約した、フリーゲーム・同人ゲーム・インディーズゲームの年代記「自主制作ゲーム史論」を執筆。