フリーノベルゲーム『つきみぷらねっと』。余命わずかな少年と、月からやってきた少女の物語

ノベルゲーム,フリーゲーム

フリーゲームでは、小説のように物語を読み進めるノベルゲームもこれまでに多く制作されてきた。

例えば、フリーゲームとして公開された後に商業作品として展開された『TRUE REMEMBRANCE』や、同作者の『送電塔のミメイ』。また死生観というテーマを扱い、現在ではkickstarterにて英語化プロジェクトも発足されている『ナルキッソス』、そして分岐によって結末が大きく変化する恐怖のノベルアドベンチャーとして話題になった『1999christmasEVE』(現在は公開停止)など、根強い人気を誇る作品は多い。

今回は、そんなノベルゲームというジャンルであるフリーゲーム『つきみぷらねっと』を紹介する。このゲームは、実況でも50万再生されるなど注目されたアドベンチャー『赤ずきんDS』などを制作したサークル「CHARON」のねこふじかおる氏による新作だ。

本作は、スマートフォンゲームの制作にも対応しているノベルゲーム制作エンジン「ティラノビルダー」で作られたゲームとなっている。プレイ時間10分ほどでクリアできる掌編となっているが、短いながらも独特の世界観を存分に楽しめる。なお、作中には出血表現などのショッキングなシーンが存在するため、苦手な人は注意したい。

病室の少年は、最期の一日に「月の少女」と邂逅する

本作の主人公は、限られた余命を生きる少年「うたろー」。彼は病室におり、もうすぐ命を終えてしまう状況にある。自分の人生に絶望していたうたろーは、ある日、月からやってきた宇宙人と名乗る少女「つきみ」と出会う。うたろーがつきみと出会ったことにより、最後の一晩の物語が始まる……。

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主人公である「うたろー」。余命幾ばくもない少年だ

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うたろーの前に現れた少女「つきみ」。自分を「月から来た宇宙人」と名乗る

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残された命の少ないうたろーの「最後の願い事」を叶えるというが……

このゲームは、うたろーとつきみの会話を読んでいく中、ときおり現れる選択肢を選んで物語を進めて行く形式となっている。ゲームのエンディングは複数用意されており、選んだ選択肢によって結末が変化するものとなっている。

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選択肢が現れた場合はどれかを選んで物語を進めよう

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不敵に笑うつきみの思いとは?

物語としては5分から10分で読み終えることが出来るものとなっている。短い時間でクリアできるため、再プレイ時に選択肢を変えたりして複数のエンディングを見てみよう。うたろーとつきみの物語の結末はいかに……?

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本作『つきみぷらねっと』を制作したサークル「CHARON」は、他にも1時間ほどでクリアできるアドベンチャーも数多く公開している。本作の世界観に興味を感じた人は、ぜひ他の作品もプレイしてはどうだろうか?筆者としては、記憶探索アドベンチャーゲーム『しほりエスケープ』をオススメしたい。

[基本情報]
タイトル『つきみぷらねっと』
制作者 CHARON (制作者様サイトはこちら
クリア時間 10分ほど
対応OS Windows XP/VISTA/7/8/10
価格 無料

ダウンロードはこちらから
http://www.freem.ne.jp/win/game/10507

  • poroLogue(@poroLogue

    もぐらゲームス編集長。大学在学中にフリーゲームをテーマとした論文を執筆。日本デジタルゲーム学会・若手発表会にて「語りとしてのビデオゲーム(Videogame as Narrative)」を発表。NHKのゲーム紹介コーナーへの作品推薦、株式会社KADOKAWA主催のニコニコ自作ゲームフェス協賛企業賞「窓の杜賞」の選考委員として参加、週刊ファミ通誌のインディーゲームコーナーの作品選出、株式会社インプレス・窓の杜「週末ゲーム」にて連載など。

    フリーゲーム作者さんへのインタビュー・レビューなど多数。フリーゲーム歴は10年半ばほど。思い出に残っているゲームは『SeraphicBlue』『Berwick Saga』。