成長するフリゲ作者『クロエのレクイエム』から『幻想乙女のおかしな隠れ家』へ。ブリキの時計インタビュー

もぐらゲームスでとりあげた『幻想乙女のおかしな隠れ家』。可愛らしいグラフィックとは裏腹に、じわじわ迫る恐怖の演出、そして意外性のあるストーリーが非常に魅力的なゲームだ。

『幻想乙女のおかしな隠れ家』注目のフリーゲーム(もぐらゲームス)

『クロエのレクイエム』を手掛けた同人ゲーム制作サークル“ブリキの時計”インタビュー なぜ彼女たちは表現手段として“ゲーム”を選択したのか?(ファミ通)

制作者のブリキの時計は弱冠10代の少女2人組。前作であるホラーゲーム『クロエのレクイエム』は、2013年に開催されたニコニコ自作ゲームフェス2でクラシックホラー賞を受賞している。この11月には小説版『クロエのレクイエム infinito』も刊行され、精力的に活動している。現在は、番外編となる『クロエのレクイエム -Con amore-』を現在制作中だ。

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『クロエのレクイエム』クラシックの名曲をモチーフに、主人公の少年ミシェルが、洋館に囚われた少女クロエを助ける物語。魅力的なキャラクターとストーリー、そして散りばめられた謎解きが特徴的。

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『幻想乙女のおかしな隠れ家』。大どんでん返しのあるストーリーとそれに至るまでの描写が非常に細やか。完成度の高さを感じさせられる。

『クロエのレクイエム』から『幻想乙女のおかしな隠れ家』へ。二つの作品を比べると、確実に進化が感じられる。2作品の違い、そして彼女たちが貫いているこだわりなど、ブリキの時計のゲーム制作について、話を聴いてみた。

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ブリキの時計の2人。ぬばりん氏とななしのちよ(以下、ななしの)氏

自分じゃない感じです

――8月に、「夏休みをゲーム制作に費やした少女たちがいた――16歳と19歳が生み出した傑作『クロエのレクイエム』誕生秘話」というインタビューが、ニコニコ自作ゲームフェスの企画として出ていましたね。反響はいかがでしたか?

ななしのちよ
色々な反響をいただいて、びっくりしています。自分じゃない感じですね。テレビなども、ワンテンポ遅れて「あ、映ってるんだ。あれは自分なんだ」って。遠くから見ている感じです。
ぬばりん
ニコニコ動画インタビューを見てくれて、最近全然連絡をとってなかった友達が「(インタビュー記事を)見たんだけど何あれ!」って、ビックリして連絡してきてくれたりしたのは、嬉しかったです(笑)

――確かに、自分のクラスの友達が、いつも見ているニコニコ動画の記事でインタビューされていたら、ビックリするかもしれませんね(笑)。さて、そんな中8月にはインタビューの最後でも取り上げられていて、あの時点では制作途中だった新作『幻想乙女のおかしな隠れ家』が公開されました。

ぬばりん
『幻想乙女』が出たのは、あのインタビューが公開された翌々日でしたね。公開する前は寝ないと決めて、徹夜でした。そのせいで、色々バグが出たりもして、ご迷惑をおかけしてしまいました。

――今回はお二人に、新作『幻想乙女のおかしな隠れ家』の制作にまつわるお話や、今まさに制作中の『クロエのレクイエム -Con amore-』について紹介してもらいたいと思っています。制作にあたって苦労した話や、新作の見どころなどを是非聞かせてください。

ななしのちよ
はい、『幻想乙女』についてはまだあまり語ったことがないので、今日はすごく楽しみにして来ました!よろしくお願いします!
ぬばりん
よろしくお願いします!

※以下、作品のネタバレになる内容を含みます。『クロエのレクイエム』、『幻想乙女のおかしな隠れ家』を未プレイの方はご注意ください。

『幻想乙女』は「じわじわくる変化球ホラー」

――今回の『幻想乙女のおかしな隠れ家』は、絵本のようなゲームで、普段ゲームをしないプレイヤーでも楽しめるゲームだと思いました。今回の『幻想乙女』はどんな人にやってもらいたいと思っていますか?

ぬばりん
女性の方にプレイしてもらいたいなあと思って作りました。同じホラーゲームでも、前作『クロエのレクイエム』は直球ホラーだとすると『幻想乙女』はじわじわくる変化球ホラーです。難易度も易しめにしたので、ゲームに慣れてない人でもプレイできるかなと思います。
ななしのちよ
『クロエ』はヒントが少なかったという声もあったので、心機一転で全く毛色の違う謎解きにしてみました。
ぬばりん
謎解きで詰まっちゃうことがないようにしたかったんです。シナリオ重視で、謎解きはスパイスですね。

――ノベルゲー寄りということなのでしょうか。

ななしのちよ
そうですね。ただ、ノベルゲーでは表現できない部分というのがあって、文章を読むよりは、アンジェ編でマップが変わっていく様子を体験できる方がいいと思ったんですよね。世界観に浸るための探索ゲーですね。

――そのマップが変わっていく様子ですが、ストーリーを進めていくと部屋の雰囲気が徐々に変わっていくグラデーションが印象的でした。あのドットは全部ぬばりんさんが描いているんですよね。

 
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ゲーム内の日数が経つにつれて、部屋の様子が徐々に変わっていく
ぬばりん
はい。家具によっては5パターンくらい作ったりしました。ドット絵には苦手意識があったんです。でも、やってみると意外に手軽にできるということが分かってきて、楽しかったです。
ななしのちよ
でも大変でした(笑)私は音楽の担当なんですけど、制作の最後の方では時間がなくなってきてドット打ちを手伝いました。それぐらい描かなければいけない絵の数は多かったですね。

――『クロエ』に比べると全体的に色彩感覚も変わったような印象を受けました。

ぬばりん
そうですね。クロエはシックな雰囲気なので、幻想乙女はカラフルにしています。好きなイラストレーターさんの絵を見たりして、おしゃれな雰囲気の絵もいいなと思い変えてみました。

キャラクターごとにテーマを決めてみた

――確かに今回の『幻想乙女』は、ドット絵などのグラフィックの他にも、『クロエ』と比べてストーリーの構成、音楽など色々な部分が変わっていますね。

ななしのちよ
ストーリーの構成については、『クロエ』の時は、テーマとして「クラシックを使う」ぐらいしか決めずに、行き当たりばったりで作りました。プロットもなかったですね。
ぬばりん
『クロエ』は夏休みに完成させるのが目標だったので、作りながら考えていきました。今回の『幻想乙女』では、あらかじめプロットを作ったり、シナリオを起こしてからスクリプトを書いたりすることにも挑戦してみました。

――『幻想乙女』は前半のアンジェ編と後半のベルント編の2部構成が特徴的でした。そのアイデアも最初から考えていたのでしょうか?

 
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2人の主人公、アンジェ(右)とベルント(左)
ななしのちよ
はい、最初から決めていました。大どんでん返しをやりたかったので2部構成にしてみました。後編のベルント編はおまけぐらいに考えていたんですけど、考えているうちに長くなってしまって(笑)

――「お菓子」と「吸血鬼」といった題材もギャップがあって良かったですね。

ななしのちよ
企画を考えていた頃ちょうどハロウィンの時期だったので、そこから連想しました。
ぬばりん
吸血鬼モノのストーリーは、私がやりたくて。小学生のころ、『ダレン・シャン』シリーズをよく読んでいて、あれから吸血鬼モノが好きになったんだと思います。「お菓子」と「吸血鬼」、2人のアイデアを合体させちゃおうということで考えたんですけど、組み合わせるのに苦労しました。

――「お菓子」のほのぼのとした女の子的な雰囲気の中に、ぞっとするような「吸血鬼」の話が入っていて、結果としてホラー感が増した感じがします。

ななしのちよ
ちょっとエグい描写を考えるのは私なんです。例えば、『クロエ』でクロエの目をとったり、『幻想乙女』でひよこを食べさせたり……。

――親鳥にひよこを食べさせるシーンは非常にダークな感じでしたね。

ななしのちよ
私の頭の中の初期設定では、アンジェはもっと非道な性格にする予定だったんです。実際は、「え、なんで食べちゃうの」って反応する優しい女の子になりましたけど、初期設定だと「肉食ならあれを食べればいいじゃない」というくらいの。
ぬばりん
アンジェちゃんは優しい子です!(笑)実際の作中でも、特にベルント編になるとどんどん性格が変わってきますが、私達の中では優しいアンジェが本当のアンジェです。
 
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ひよこを食べさせるシーン

――キャラクターにもこだわりがあるわけですね。

ぬばりん
『幻想乙女』では、キャラクターごとにテーマを決めてみました。例えば、ベルントのテーマは「強さ」です。ここでの強さとは、意志の強さも含んでいます。

――これはゲームの中で何回も出てくるテーマですね。

ななしのちよ
シンシアは「幸せ」ですね。容姿が綺麗、家にはお金がある、でも彼女は幸せではない、本当の幸せとはなんだろう?というのがあの子のテーマです。シンシアがアンジェにこだわるのもそのあたりが理由ですね。彼女については今後のアップデートで語られるかもしれません。

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アンジェの幼なじみシンシア

――アップデートも予定されているのですね。楽しみです。キャラクターの話で言うとブリキの時計の作品は立ち絵のグラフィックも印象的です。『幻想乙女』では、グラフィック担当のぬばりんさんはどういうところにこだわったんでしょうか。

ぬばりん
やはりベルント君とDさんですね。ベルントくんは目のところが独特になるように、眼力が強くなるようにしてみました。2人は血のつながりがあるという設定なので、顔の造形は同じにしています。
ななしのちよ
アンジェ編をやっているときはそのことが気づかれないようにしています。でも、実はお父さんも同じ顔だったり…。

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ベルントの原画

――目の形が同じですね。

ぬばりん
クロエのミシェルとピエールもそうですが、血がつながっているキャラの顔は似せるように気をつけています。一方で、キャラクターごとに顔の描き方は変えています。目の描き方や今出しているゲームを通してみても同じ描き方のキャラクターは1人もいないと思います。
ななしのちよ
ぬばりんさんの絵はキャラによって笑い方も表情も違うんですよね。明るいキャラだと陽気な笑い方だったり、クールだと控えめな笑い方だったり。性格によっても変わるんですよ。髪の毛をなくして顔だけ見てもどのキャラか分かります。
ぬばりん
キャラデザがもともと好きなこともあって、かなりがんばっています。こだわりすぎて誰も気づかないようなこともありますね。ベルント君は犬っぽい性格のキャラなので、ベルトに犬が描かれていたり。
ななしのちよ
気づかれないディテールで言うと、『クロエ』にもありますよ!『クロエ』は呪いが出てくるストーリーでした。キャラがみんな赤いリボンをつけていて、呪いの状況次第でリボンの色がくすんでくるんです。呪いに犯されると黒くなってしまうんです。その影響で、ロゴにもリボンをつけていたり…。番外編のキャラにもリボンがついてきます。

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『クロエのレクイエム』タイトル画面

――本編では気づきませんでした……(笑)番外編ではよく注意して見てみます。ところで、『幻想乙女』では毎日必ず出てきて割れる風船がありましたけれど、あれには何か意味はあるんでしょうか?

ななしのちよ
風船は私のアイデアですが、毎日の楽しみみたいな感覚で一番最後に入れています。いかにプレイしていただいてる方を飽きさせないか考えた結果だったりします。特に舞台が一つの部屋の中なので、限界があるんですよね。いかにメリハリをつけるかには苦労しました。

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毎日風船が現れる。触れると割れる……

――それから、今作では音楽の種類も増えていますよね。楽曲の担当は、ななしのちよさんですよね。

ななしのちよ
楽曲自体は4,50作りました。ベルント編で流れる曲はアンジェ編の曲のアレンジ版だったりと、色々なバリエーションを作ってみました。ちなみに、ベルント編のタイトルは2パターンあるんですよ。最後の方でバイオリンの音が入るか入らないかで2つ。

――そうなんですか!

ななしのちよ
最後まで聴くと分かるんですけどね(笑)ベルント編で迷い込む迷路の曲は、進むにつれて徐々に楽器数が増えて豪華になっていきます。
ぬばりん
アレンジは自分でゲームをしているときでも、テンション上がるんですよね。ベルントのテーマとDさんのテーマの演出は意図的に場面とシンクロさせて曲を使っています。

――『幻想乙女』では、とあるシーンでボイスも入れていますよね。

ぬばりん
私のお友達のまどさんという方にお願いしました。
ななしのちよ
キャラの名前が聞こえてくると、ああオリジナルなんだなって伝わってきますし、「アンジェ」ってささやかれるとゾッとして全然印象が違いますよね。

血と涙の結晶です

――制作期間が10ヶ月位と聞いていますが、最初からそれぐらいのスケジュールで出そうという計画だったのでしょうか。

ぬばりん
公開時期を決めてスケジュールを組んでみたりもしたんですけど、結局全然間に合わなくて(笑)最初は3ヶ月くらいで、1時間程度の短編を作る予定だったんですが、どんどん分量が多くなっていって……(笑)
ななしのちよ
一番大変だったのは、公開直前のバタバタですね。本当は4月に公開するつもりが遅れて、6,7月の〆切が守れずにこれ以上遅らせられないというプレッシャーが辛かったです。

――怒涛の作業ですね。よく乗り切れましたね…。

ななしのちよ
深夜のテンションで乗り切った感じです。最後は1週間くらい合宿をしました。実は、今日(インタビューがあった当日)も新作の制作作業で合宿をしていました。
ぬばりん
普段はSkypeなんですけど、顔を合わせて2人で一緒に作ると1人で作業するよりモチベーションも上がります。合宿しないと最後仕上がらなかったですね。そういう時にはニコニコ生放送をやっています。『幻想乙女』の公開直前も生放送してみたり。本当に乗りきれてよかった。

――最近、結構生放送をしていますよね。

ななしのちよ
去年の12月頃は数人にしか見てもらっていなかったし、コメントも少なかったのですが、久々にやったら100人ぐらいの方が見てくださるようになりました。ニコ生で反応をもらえるのはとても嬉しくて、地味にハマってるんです(笑)。
ぬばりん
アドバイスをくれる方も多いので、コメントを参考にゲームに反映することもあります。生放送を楽しみにしてくれる方が増えてくると、ゲームづくりのモチベーションも上がりますね。

ニコニコ生放送 ブリキの時計コミュニティ

――お二人それぞれの親御さんは、制作活動を応援してくれているのでしょうか。

ぬばりん
私の親は、すごい気にしてきますね。「どうなったのー?」とかって(笑)。ゲーム実況も見ているみたいです。私達以上にゲーム実況に詳しかったりして……。この実況面白いから見てみなよ!とか。
ななしのちよ
うちのは母も実況で見てくれているみたいです。ただ、父がとても厳しくて、ゲーム作りに反対されたこともありました。クロエを出した後、体調を崩してしまったときはすごく怒られて……。クロエをプレイしていないのに内容を批判されたり……。『幻想乙女』を出すときは父になんとかして認めてもらおうって、そんな気持ちも込めています。最近はプレイヤーさんたちの感想も見せたりしていることもあって、徐々に理解してくれているようです。最近父のPCを見たら、幻想乙女が入ってたんですよね。まだセーブデータはなかったですけど(笑)

――それは心あたたまる話ですね。『幻想乙女』にはお2人の色々な気持ちが詰まってますね。

ぬばりん
そうですね。製作期間も長かったですし、今までで一番苦労しました。血と涙の結晶です。

『クロエのレクイエム -Con amore-』は明るい雰囲気

――次は11月に公開予定の『クロエのレクイエム -Con amore-』についてです。『クロエのレクイエム』の番外編ということですが、どんなゲームになるのでしょうか。

ななしのちよ
「Con amore」というのは音楽の用語で「愛情を込めて」という意味なんです。本編が暗かった分、コンアモーレな明るい雰囲気で。あまりホラー要素はないのでアドベンチャー的なゲームになります。『クロエ』のストーリーやキャラが好きになった人に、ぜひやってもらいたいです。
ぬばりん
『クロエのレクイエム』の番外編に当たるゲームで、物語の裏側を書いています。裏の部分を明かしているので、それぞれのキャラの別の一面を描いています。特に……。
ななしのちよ
特にピエールくんが……。もしかしたら好きな人が減ってしまうかもしれません(笑)新キャラも出てきますよ。
ぬばりん
本編でさりげなく見落としてた部分とか裏側を描いているので新しい発見があると思います。本編をやったあと番外編をやって、その後本編をやってもらえたらなあと思います。
ななしのちよ
回収できなかった伏線も多いですからね。

――シナリオ重視のゲームですかね?

ななしのちよ
謎解きに関しては『クロエ』と『幻想乙女』を足して2で割ったような感じです。各キャラごとのサブイベントを集めていく形式ですね。それがエンディングにも関わってきますし、それから…(笑)
ぬばりん
到達しにくいエンディングも用意しています。隠しエンディングは難しいかもしれないです。番外編に登場する新キャラクターは小説版にも出てきますので、楽しみにしていてください!

次はRPGを作ってみたい

――そして今度はいよいよ、以前から作りたいと思っていたRPGを制作したいとのことですが、こちらはどんなゲームになるのでしょうか。

ぬばりん
ホラーでも完全なファンタジーでもなく、児童文学的な少年少女の成長物語にする予定です。ちょっとしたファンタジー要素は入ってきますけど。

――青春物ですね。

ぬばりん
少し前の時代のヨーロッパで田舎よりの普通の街に住む普通の少年少女が登場するRPGになります。主人公が学校に行っていたり、等身大にしたいんですよね。思春期の少年少女の微妙な悩みを描きたいと思っています。
ななしのちよ
心理的な部分が非常に多くなりそうです。RPGのメインになるシステムも心理要素が絡んでいたり。

――RPGの肝である戦闘シーンがどうなるのか気になるところですね。公開は来年でしょうか?

ぬばりん
来年出せたらいいなと思います。現段階では章立てで3部構成で考えているので、1章ずつ出す予定です。
ななしのちよ
まだ未定ではありますが、後日配信で、服が変わっていくということにしようかと。主人公の1人の女の子が服を作れる設定なので、それを装備していくという…。

――仕立て屋システムみたいな感じですね。

ななしのちよ
RPG以外の要素でアドベンチャー的な部分もあるようにしていく予定です。思春期がテーマなので、1章ごとにキャラが少しずつ成長したり、街の風景やモブが変わっていくような時の流れをグラデーションで表現してみたいです。
ぬばりん
ノスタルジーがテーマの一つになるので、中高生から大人まで広く楽しめるゲームになるのではないかと思います。キャラが今までで一番濃くなってキャラ同士の掛け合いもコメディっぽくなります。今までとはまた違う感じのゲームになると思います。
ななしのちよ
ホラーじゃなくなったのは大きいですね(笑)時代設定も近いので、もしかしたらクロエや幻想のあのキャラが、ってことがあるかもしれないですね(笑)

「完成させることが大事」と作った『クソゲー物語』

――『幻想乙女』の話、新作の話と聞いてきて、実はお二人に是非聞いてみたかったのが、一番最初の作品である『クソゲー物語』の話なんですが……。そのタイトルとその後の『クロエ』や『幻想乙女』の世界観とのギャップが興味深いですね。あれが、お二人の初めての作品ということですよね?

 
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ブリキの時計の最初の作品、『クソゲー物語』。漂うクソゲー臭!
ななしのちよ
あれはやらない方がいいと思います(笑)
ぬばりん
ゲーム作りは全くの初めてだったので、試しにRPGツクールで作ってみたんです。それでも、『クロエのレクイエム』と『クソゲー物語』しか出していなかったときに、「ブリキの時計の作品が好きです」って言われたことがありました。そう言ってくれるってことは、クソゲー物語もやってくれているんだと、とても嬉しかったですね。
ななしのちよ
『クソゲー物語』は完成させたことに意味があると思っています。ゲーム作りに慣れるために作ろうといって作ったゲームでした。文字通りクソゲーで……(笑)。そんなゲームでも完成したときの喜びは大きかったです。あれを完成させてなかったら、クロエはまだ完成してなかったかもしれません。まず完成させるってことが大事なんじゃないかって思っています。
ぬばりん
あそこから私達のゲームづくりが始まったと思います。

――さて、最後になりますが、ゲーム制作について感じるところを、同じようにゲームを作っている人や、作ろうと思っている人に向けてメッセージをいただけますでしょうか。

ぬばりん
作品のことをものすごく考えて愛情を注ぐ期間があります。想いを込めて作れば作るほど完成度はあがっていくんじゃないかと思っています。私達の場合、がんばりが全てでした。

――最後の怒涛のがんばりでしたもんね。ななしのさんはどうでしょうか。

ななしのちよ
私達はイラストとか音楽といったスキルも普通ですし、実際にボーカルの曲作りでは限界を感じました。それをゲームというものを題材に組み合わせたことでまた新しいジャンルが開けて、自分にはマッチしました。クロエの曲を好きと言ってくれる人もいるし、2人のできることをまとめて作った「ゲームの力」って凄いんだなと思います。

――お二人とも、今日はありがとうございました!

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