完成が待ちきれない、美しいドット絵のインディアクションゲーム10選

ゲームの世界を空から見下ろすような視点で映した「見下ろし型(トップダウン)」ゲーム。有名なものでは『ドラゴンクエスト』や『ゼルダの伝説』、そして『RPGツクール』シリーズで作られる数々のフリーゲームもそれに当てはまる。

大作ゲームのほとんどが3Dゲームとなった現代、その一方で、ドット絵で描かれた2Dの見下ろし型ゲームが、フリーゲームやインディーゲームの世界でメジャーなスタイルとなっているのはご存知だろうか?

今回はそんな見下ろし型のインディーゲームを紹介するが、「開発中である」、「アクション要素がある」というものに絞り厳選した。開発中であるゲームの完成を待つのは実にワクワクすることである。この記事で是非そのワクワクを増やしてみてほしい。そして、もし気に入った作品が見つかったら、ぜひ完成まで情報を追ってみてほしい。

Moonlighter

『Moonlighter』はインディーゲーム開発スタジオDigital Sun Gamesによる、ローグライクアクションRPGだ。トレーラーでは、SFC期の『ゼルダの伝説』などを思い起こすマップデザインなどを見ることができる。

ヒーローになることを夢見る少年ウィルを操作し、自動生成ダンジョンを探索してアイテムや武器を探す、というのがこのゲームの基本なのだが、ゲームの最大の特徴であるのがもう1つの要素だ。さて、見つけたアイテムはどうするか。そう、自分の店で売るのだ。

商品をうまく客に売るために商品の配置に気を配ったり、他店との協力、また万引きにも気をつけなければならない。もちろん経営者として商品選びも入念に行わなければならない。ダンジョンには多くの古代のアーティファクトや装備品などが眠っているが、それがとても価値のある物なのか、はたまた紙切れ同然なのかはウィルには分からないため、お値段を鑑定してもらわねばならないのだ。プレイヤーは未知のアーティファクトを持ち帰り賭けに出るか、相場の安定したアイテムを持ち帰るかを選ばねばなくてはならない。

そしてもちろん、ダンジョンで見つけた装備品は売るだけでなく自分で装備することも可能だ。このゲームにはレベルの概念が無く、ウィルの能力は全て装備品に依存するため、装備品が非常に重要となってくる。目前の金のために装備品を売ってしまうべきか、自分で装備しダンジョンのさらなる深部へ挑むことの出来る力を手に入れるかはプレイヤー次第だ。

夜は冒険者としてダンジョンを探索し、昼は店主として商品を売りさばく。なぜ寝る間も惜しんでこんな忙しい生活を送らなければならないのか?そう、ヒーローになるのにはとにかくお金が必要なのだ。「この世は金だ」ということを教えてくれる非常に良いゲームになりそうである。

公式サイト:http://moonlighterthegame.com/

Eastward

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『Eastward』は上海のディベロッパーチームPixpilによる、アジアンな香り溢れる世紀末世界を舞台としたアクションアドベンチャーだ。

まだ開発初期段階のようで、ゲームの内容で明らかにされている部分は少ないが、公開されているスクリーンショットからは非常に細部まで描かれたドット絵グラフィックがうかがえる。
その美しいドット絵で表現された、漢字ひらがなハングルの看板が立ち並ぶカオスな町並みや荒廃した建物もとても魅力的なのだが、このゲームで最もこだわりが感じられるのは「光」だ。
技術的なことになるため概要にとどめるが、特殊なマッピング方法を使用することで2Dドット絵に凹凸情報を持たせ、よりリアルな光の当たりを実現させているようだ。

光の消えた町に降り注ぐ太陽の光は、荒廃した世界の寂しさをよりいっそう際立たせているが、どこか暖かさも感じさせる。

ストーリーについても例に漏れずほぼ公表されていないが、髭面の中年男性と白髪の少女がメインキャラクターであることはスクリーンショットからも明らかである。この2人がどんな物語、そしてどんな冒険を見せてくれるのか、今後の発表に期待しよう。

開発チームの公式サイト:http://pixpilgames.tumblr.com/
ゲームの公式Twitter:https://twitter.com/EastwardGame

Pixel Princess Blitz

『Pixel Princess Blitz』は韓国及び日本人によるチームLanze GamesによるローグライクアクションRPGだ。

ハック・アンド・スラッシュとボードゲームの要素を合わせたゲームと謳っており、フィールドなどで起こるランダムイベントなどでボードゲームの特徴が出ている。ランダムイベントでの交渉の成功率などはプレイヤーのステータスに依存し、例えば知力が高ければより平和的に問題を解決することができ、また素早さが高ければダンジョンの宝物を上手く盗むことができたり、秘密の扉を見つけることなども可能になる。

本作はローグライクでありながらストーリーも充実しているようで、メインは主人公の少女クルナが滅亡寸前の王国を救う旅であるが、なんと他のキャラクター達とのロマンスが用意されているのだ。もちろん友情から恋愛へ発展させるのは容易なことではない。お気に入りのキャラクターと愛を育めるかどうかはプレイヤーの力量次第だ。

タイトルに「Pixel」とある通り、可愛らしいドット絵が特徴的な本作だが、ドット絵を手がけるのは3人の日本人ピクセルアーティストである(メインキャラクター:シロス氏、敵&NPC:鮫妻丈二氏、敵アニメーション:E79氏)。日本人が描いているというだけあって、とても馴染みやすいグラフィックなのではなかろうか。また、この記事で紹介しているゲームの多くはまだ公式で日本語化のアナウンスがされていないが、本作はSteam Greenlightのページも日本語化されており、ゲームも日本語で楽しめる可能性があることを推測できる。Greenlightのページではゲームの内容をマンガ形式で分かりやすく説明しているので一度見てみる価値はある。

公式サイト:http://pixelprincessblitz.com/

UnDungeon

『UnDungeon』はドイツのインディーゲーム開発スタジオLaughing Machinesによる、ローグライクをベースとしたアクションRPGだ。

ゲームの舞台となるのは、「シフト」と呼ばれる謎の世界的な大災害により7つの平行世界が混ざり合ってしまった…というなんとも奇天烈な世界だ。緻密なドット絵によるグラフィックも、他にはない本作の独特な雰囲気を醸し出している。

しかしこのゲームの最大の特徴はその奇抜なキャラクターデザインだろう。プレイヤーキャラクターは全7体おり、「ヘラルド」と呼ばれる不死身のクリーチャー達なのだが、ヨガをしながら浮遊する頭肥大化野郎や、恐ろしいモンスターを呼び出す幼女、そして分裂可能なスライムなど、どれも主人公とは思えないようなぶっ飛んだビジュアルのキャラクター達ばかりだ。ファンタジーともSFとも言えない…どこかクトゥルフ神話的な雰囲気も感じさせるようなキャラクターデザインは、上記のような独特な世界観に見事にマッチしている。彼らを操作するのが非常に楽しみである。

なお、本作はスクウェア・エニックスによるインディーゲーム支援プロジェクト「Square Enix Collective」に登録されている。

公式サイト:http://undungeon.com/
 

Ruin of the Reckless

『Ruin of the Reckless』は髭が特徴的な2人のチームFaux-Operative Gamesによる、ローグライクアクションRPGだ。

舞台となるのは、既に人々から忘れ去られつつある古代の塔。謎の冒険者達に騙され塔に閉じ込められてしまった主人公は脱出を試みることになる。しかしその塔は邪悪な霊たちが蔓延る場所であった。主人公は自動生成されるマップをひたすら進み、塔の上へ上へと登り頂上を目指す。

トレーラーを見てもらえば分かるが、とにかくハイスピードな戦闘がこのゲームの特徴だ。巨大な「拳」で敵を殴り飛ばす攻撃をはじめとし、前へ突進する能力や、竜巻、雷を呼び出す魔法のようなものまで、様々な能力を使った爽快感溢れる戦闘が楽しめそうだ。

そしてもう1つの重要な要素が、カードだ。カードはマップを探索することによって見つけることが出来るのだが、これは特殊なスキルのようなもので、例えば「死の扉」のカードを装備すると、敵を一撃で撃破することが出来るようになる。中には「赤ちゃんモード」のような、敵が主人公を大きな赤ちゃんだと認識するようになる、という、一体どういう効果があるのか、いまいち使いみちが分からないようなものも。

まだまだ書ききれない様々な要素があるが、戦略的な深みとスピード感溢れる爽快な戦闘を両立させた、非常に期待できるゲームだ。

公式サイト:http://ruinofthereckless.com/
 

Kologeon

『Kologeon』(カルージョン)は2人の兄妹によるチームChillCrowによるアクションゲームだ。

悪魔や凶悪な霊達の蔓延る暗い世界を舞台に、不滅の魂を持った主人公が戦いに繰り出す。自動生成されたマップを進んでいくという一見ローグライクのような要素を持っているが、開発者は「これはローグライクではない」と言っている。他のマップ自動生成型のゲームと異なる点は、たとえ死亡してもプレイヤーの進行が失われないところだ。本作ではマップを覚えたり、再び同じことを繰り返すということをする必要がなく、常に進歩的な体験が重視されている。

トレーラーではかなりスタイリッシュなアクションが見受けられるが、それを可能としているのは本作独特の要素である「幽体離脱」アクションだろう。幽体離脱とはその名の通り、自らの魂を霊の世界へと切り離す能力だ。魂の状態では非常に素早く移動したり、敵の体をすり抜けるなどといったことが可能になるが、その間身体は意識を失った状態になり無防備になってしまう。また長く幽体離脱をしていると力が弱まっていくということもあるようなので、プレイヤーには慎重な使用を求められる。幽体離脱は戦闘だけでなく探索やストーリーにも絡んでくるようなので、ゲームを進めるに当たって非常に重要な要素となるだろう。

本作には幽体離脱だけでなく様々なアクションが存在する。基本的な攻撃方法である巨大な武器は、トレーラーを見る限りでは鎌や弓などが確認できる。武器にはいくつもの種類があるらしく、戦闘で敵の魂を集め、それを利用し自ら鋳造することで得られるとのことである。

他にも、空中に飛び上がる「翼」や、時間の経過を遅くする能力、敵の体に入り込み敵を操る能力などといったものがあり、それらを駆使しながら戦闘や探索を進めていくことになる。それらの能力を使いこなすのはとても難しそうに見えるが、上手く操作出来た時の爽快感は格別であることが予想される。

公式サイト:https://chillcrow.com/
 

Children of Morta

『Children of Morta』はインディーゲーム開発スタジオDead Mageによるハック・アンド・スラッシュ系アクションだ。

2015年1月に開始されたKickstarterキャンペーンでは約10万ドルもの資金を集めることに成功し、その数字からも大きな期待がされているゲームであると言える。一体何がそこまで期待させるのかというと、「荒れ狂う神の暴走を止めるために一家が一丸となり立ち向かう」という壮大なストーリーと、それを表現するドット絵アニメーションだろう。トレーラーを見てもらえば分かるが、イベントシーンだけでなく、背景やモンスター、エフェクトまでふんだんにぬるぬると動きまくっている。筆者のような動くドット絵ファンにとってはたまらない作品だ。

ゲームプレイ部分はというと、自動生成されたダンジョンを敵をバッサバッサとなぎ倒しながら進むというよくありそうなハック・アンド・スラッシュなのだが、最大の特徴は8人の家族がプレイヤーキャラクターであるというところだろう。彼らはそれぞれ、剣や弓、ハンマーなど独自の武器を使い敵に立ち向かっていく。キャラクター達の詳細は不明だが、家族の物語ということで深くストーリーに関わってくるだろう。
豪華なドット絵で描かれる彼らの物語を味わうのがとても楽しみである。

公式サイト:http://www.childrenofmorta.com/
 

Death Trash

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『Death Trash』はドイツのディベロッパーStephan Hövelbrinks氏による、ポストアポカリプスをテーマにしたシューターRPGだ。

舞台は大銀河戦争後、人類の住み着いた「タウリスV」という星である。物語は人類と、太古の昔から星に住まう古代生物との戦いがメインとなる。
ポストアポカリプスの世界を舞台にしており、見下ろし型という点もあり初代『Fallout』を彷彿とさせるが、放射能によって巨大化したGといった生ぬるいものではなく(初代に奴は登場しないようだが)、なんかよく分からないけど玄関前でうごめく肉塊や、巨大な目玉や木ともイカとも言えない謎の巨大クリーチャーの棲む世界だ。荒廃した世界では肉肉しい赤が目立ち、とにかくグロテスクなビジュアルが特徴的である。

戦闘の様子


 
ザクザクと荒削りしたようにも見える独特なドット絵も、その破滅した世界の雰囲気にとてもマッチしており、恐ろしさ、絶望感をより際立たせている。開発者のStephan氏は自身のTwitterで頻繁に進捗動画を上げているので、狂気と絶望に支配された世界「ファックトピア」に興味のある方はチェックしてみてもいいかもしれない。

公式サイト:http://www.deathtrash.com/
 

Songbringer

『Songbringer』はNathanael Weiss氏1人による開発スタジオWizard Fu GamesによるアクションRPGだ。

本作は『ゼルダの伝説』シリーズ、特にファミコン、スーパーファミコン期の作品に強くインスパイアされているゲームである。ただ1つ異なるのは、ゲームを始めるたびに全く異なる世界の探索を楽しめるという点だ。

プレイヤーは相棒のロボット、ジブと共に様々な未知の惑星に降り立ち、探索することになる。自動生成された広大なマップには、無数の強力な魔物や罠、多くの謎解きの数々が待ち受けている。プレイヤーは「ナノソード」という剣を片手に立ち向かっていくが、マップで拾うことの出来るアイテムも力になる。アイテムはそれらを組み合わせることによって、より強力な新たなアイテムを作り出すことができるという要素もある。
またマップには、壁を爆破しないと見つけられないような隠されたエリアが存在するようで、探索のしがいがありそうだ。

そして本作の大きな特徴として「ワールドシード」というものがある。これはゲーム開始時に入力する6文字のことだが、この6文字に応じてマップが自動生成される。つまり同じ6文字を入力すれば全てのプレイヤーが同じマップをプレイすることが出来るのだ。マップクリア時にはクリア時間やアイテム回収率などが記録されるので、それらを他のプレイヤーと競うという楽しみ方も出来るというわけだ。
自動生成されるマップは大きく9種類の世界に分けられ、ボスも9種類に限られるが、ワールドシードの組み合わせは3億以上にも及び、それぞれの世界で全く違った体験を味わえるだろう。

Kickstarterの出資者向けに公開されているベータ版のプレイ動画を見た限り、パズルを解いた時やアイテムを入手した際に気持ちの良いメロディーが鳴るなど、細部にも『ゼルダの伝説』へのオマージュが見られ、開発者の愛が感じられた。『ゼルダの伝説』シリーズのファンならば、2D時代のスタイルを懐かしみつつ楽しむことが出来そうである。

公式サイト:http://songbringer.com/
 

No Place for Bravery

『No Place for Bravery』はブラジルのディベロッパーチームGlitch Factoryによるローグライクアクションだ。

主人公となるのは4人の戦士達。彼らは人類を「掃除」しようとしている神に挑むため、人類の存亡をかけた旅へと出る。旅の舞台となる世界はランダムに生成され、毎回違ったキャラクターや敵、パズル、そしてそこから生まれる小さな物語を楽しめる。

『Hyper Light Drifter』からインスパイアされたという美しいドット絵グラフィックも本作の大きな魅力である。また、ゲームから「文字を廃した」点でも『Hyper Light Drifter』から影響を受けている。ダメージ表示などはもちろん無く、画面に表示されるのは最低限のインターフェースのみ。そして、文章で語らない物語はプレイヤーに多くの想像の余地を残すだろう。

アクション性の高い戦闘なども『Hyper Light Drifter』の影響を受けているというが、大きく異るのは「時間を操る」能力である。
『Super Time Force』と似たようなゲーム内の時間を巻き戻すシステムを採用しているというが、本作のシステムは4人の主人公をフルに活用したものだ。まず1人目のキャラクターで操作し、次に時間を巻き戻す。すると1人目のキャラクターの行動が保存されるので、更に2人目のキャラクターを操作、そしてまた巻き戻して…といった具合に4人の行動を決めることが出来る。つまり、4人のキャラクターを同時に動かすことが可能になるのだ。アクションゲームとしては珍しく、プレイヤーの戦略性も求められることになるだろう。ゲームの難易度も高く設定されるようなので、かなり歯ごたえのある戦闘を楽しめそうだ。

また開発者はこれまでのゲームの枠組みに囚われないようなデザインにしたいと語っている。「何かアクションをするとそれに対しての反応がある」というだけの人工的な装置ではなく、まるでゲームが生きているかのように感じさせるような作品にしたいのだという。

公式サイト:http://noplaceforbravery.com/

 
以上で紹介は終わりとなるが、気になった作品はあっただろうか。これらのゲームで遊べる日が来ると思うと楽しみでたまらない。筆者のような見下ろし型ゲームのファンの方は是非とも今後、これらのゲームをチェックしてみてほしい。


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