一時停止を駆使しながら進む異色の死にゲー『Pause Ahead』

本日はAskiisoftによる2Dアクション『Pause Ahead』を紹介する。本作はいわゆる「死にゲー」。触れたら最後、回転ノコギリやトゲ等、この手のゲームを一度遊んだ人にはおなじみと言えるトラップを潜り抜けてゴールを目指す。余談だが、Askiisoftは前作である『Tower of Heaven(天国の塔)』も同じく死にゲーと、二作続けて同ジャンルのゲームを制作している。両方ともブラウザで遊べるので、気になる人は本記事を一番下まですっ飛ばして今すぐGoだ。まだ決めかねている人やゲームの中身を知った上で遊びたい人はしばらくお付き合いくださいまし。

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壊れかけたブラウン管テレビのようなタイトル画面。どこか懐かしいような……

《GAME PAUSED》

さて、振りかえってみれば、もぐらゲームスで今まで紹介してきた死にゲーは、それぞれ“かなり”特徴的なシステムを搭載していたように記憶している。例えば『VVVVVV』はボタンひとつで重力の働きを逆向きにしていたし、『Don’t Look Back』はそのタイトルの通り振り返ることを禁じ、『Sometimes You Die』は無限に死ねる+自分の死体(?)が残るシステムであることを利用し、自ら死んで死んで死にまくることで道を切り開いていた。

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死んだ自分を積み上げて先へ進む『Sometimes You Die』

一方、本作『Pause Ahead』はパッと見たところ普通の2Dアクションで、トゲや回転ノコギリ等のトラップに当たれば即死、となんともオーソドックスな感じの死にゲーだ。最初の2,3ステージはごくごくシンプルなアクションで、特別なアクションは要求してこない。とりあえずジャンプと移動さえできれば最序盤のステージはクリアできる。
ではいったい、どこに“特徴的なシステム”があるのだろうか?

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パッと見は普通のプラットフォーマーだが……

早速だがお答えしよう。
本作の「特徴」となるシステムは、タイトルも冠されている「ポーズ」。
つまりゲームの一時停止だ。

それでもあなただけは動いている

ゲームの一時停止、ポーズは色々なゲームに搭載されている。シューティング、アクション、RPG、いや挙げる必要が無いほどのジャンルで使用されている。搭載されていないゲームはそれほど多くなく、2人以上で同時にリアルタイムでプレイする必要があるゲームとその他少数派くらい、だろう。本作はそんな「ポーズ」をゲームシステムにがっちり組み込んでしまっている。どういうことかと言うと、以下のスクリーンショットをご覧いただきたい。

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ゴールは右にあるのだが、巨大な回転ノコギリが迫っている

このステージ(レベル)のゴールは右上方向にあるのだが、通路いっぱいに触れると即死する回転ノコギリが置かれており、このままでは絶対に先に進めない。正攻法で挑もうとしても隙間が無く、隠し通路もないのでマトモに進むことができなくなってしまっている。

ここで、右方向に移動しながらポーズを使う。すると……

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ポーズをかける直前の動きがそのまま保存されており、空中だろうと地面だろうと動き続ける。しかも無敵

無事ノコギリをすり抜けて一丁上がり。後はポーズを解除するだけだ。
種明かしをすると、本作では「ポーズをかける直前の動きがポーズ中も維持される」というシステムが取られている。ポーズ中の自機は重力も無関係に動くし、トゲや回転ノコギリと言ったトラップも完全に無視して進むことができる。これが本作『Pause Ahead』を構成する根本的なシステムだ。

ただし、ポーズを解除しないとゴールに入ることはできないし、一回のポーズでは複雑な道やトラップを切り抜けることは難しい。進むにつれてポーズ→方向転換→ポーズ→方向転換……という繰り返しを要求されることも珍しくない。ついでに言うと、ポーズ中に壁のすぐ隣に設置されているトゲやノコギリにめり込んでしまった場合、ポーズを解除すると即座にやられてしまう。
その辺りは流石に死にゲーだが、こちらには無限の残機がある。後はトライアンドエラーの物量作戦で押しつぶすのだ。もちろん、考えに考えた上浮かんだ妙案でスマートに突破してもいい。ただし制限時間にはお気をつけて。もちろんポーズ中はカウントが停止するので、そこはご安心を。

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初っ端から残り1秒。ジャンプ・ポーズ・方向転換・ポーズ・方向転換……

ちなみに、後半ステージではなんと持ち時間がわずか1秒に。もちろん制作者も鬼ではないので、砂時計型のアイテムを手に入れれば+10秒される。もっとも、そこに辿り着くまでの時間を1秒に収めなくてはならないのだが……。必然的にポーズを駆使し、あの手この手で砂時計を取りつつゴールを目指すことになる。

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プレイヤー(それとも自機?)に語りかける、謎めいた言葉の主はいずこ?

そして、各ステージやポーズ画面で流れる呼びかけや語り、意味深なメッセージも見どころ。本作の物語や設定が分かりやすく語られることはないものの、それとなくこの迷宮の主の正体や、自機である狼少年(?)について感じ取ることはできるはずだ。辞書を引き引き、思いを巡らせてみるのも楽しいかもしれない。

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むしろこっちが聞きたい。中には《PAME GAUSED》なんてお茶目なものも

さて、本日紹介したAskiisoftによる、ポーズを駆使して先に進む『Pause Ahead』、いかがだっただろうか。Askiisoftは他にも行動制限型2Dアクション『Tower of Heaven(天国の塔)』、ぶっちぎり系2Dアクション『OverPowered』といったコンパクトかつ面白い作品を制作・公開している。もし本作を気に入ったのなら、そちらもプレイしていただければ幸いだ。そして肝心の本作『Pause Ahead』が気になった人や遊んでみたいと思った人は、下の「基本情報」欄からすぐに飛んでプレイ可能なのでぜひ遊んでみてほしい。

[基本情報]
タイトル
Pause Ahead
制作者 Askiisoft(webサイトはこちら
クリア時間 30分~2時間(腕による)
動作環境 Webブラウザ上(Adobe Flash Playerが必要)
プレイ こちらから。ブラウザで直接遊べます
備考 言語は英語のみ

VR体験施設の検索サイト「taiken.tv」
  • 20140328135231

    水原由紀(@mizuharayuki

    読みは「みずはらゆき」。ゲーム業界のはしっこに勤めつつ、色々書いてます。思い入れの強いゲームは初代『.hack//』や『風ノ旅ビト』、『Dear Esther』『ゆめにっき』『Ruina 廃都の物語』などなど。2015年マイベストははむすたさんの『ざくざくアクターズ』。美学と工学の交差するゲームを求め、今日も片道切符。Narrative関係勉強中。