「東京ゲームショウ2018」注目のインディーゲーム6選

9月20日から23日にかけて開催された「東京ゲームショウ2018」。今年はインディーゲームコーナーが昨年度以上のスペースで開設され、多種多様な作品を遊ぶことができた。更に一般ブースでも様々なインディータイトルが出展され、昨今、特にNintendo Switchでのヒット作の続出から、国内での関心が高まっていることを実感させる光景が広がっていた。

昨年に引き続き、今年も東京ゲームショウで注目のインディータイトル6作品を紹介する。注目作をまとめて振り返る記事としてご覧いただければ幸いだ。

SKYTRACERS スカイトレーサー

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パルクールアクションゲーム『Cloudbuilt』を制作したスウェーデンのインディーゲームスタジオ「Coilworks」の新作。題名こそ別物だが、その実は『Cloudbuilt』の続編的な作品。今作も駆け上がり、ウォールジャンプ、射撃、そして背中に着けたロケットブースターによる高速ダッシュ、エアジャンプを駆使して、様々な障害を潜り抜け、ゴールを目指すパルクールアクションゲームになっている。

最大の特色はレース要素。『Cloudbuilt』は、各種アクションを駆使して難所を潜り抜けていくステージクリア型のアクションゲームだったが、今作は他のプレイヤーと競争しながらステージを駆けていくことになる。ゲームモードもそれ関連して拡充され、対戦型マルチプレイを追加。ルールもスタンダードなタイムアタック、フラッグ戦などが用意されているほか、ローカルのみならず、オンラインにも対応し、世界中のプレイヤーとスピーディなパルクールレースを楽しめるようだ。

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しかしながら、出展されていたのはTGS用に制作されたデモということで、対戦は遊べず。基本アクションと操作を知れる、チュートリアルをプレイできた。チュートリアルはチェックポイントを順に経由しつつ、各アクションを確認していくというもの。ゴールに辿り着くと、そこでデモが終了となった。プレイしてみたところ、操作系は『Cloudbuilt』と一緒。非常に素早く動くキャラクター、重量感がありつつも軽快なジャンプ、ブースト時の圧倒的なスピード感、入り組んだ構造のステージなどはそのままだった。ただ、チュートリアル中に別のキャラクターが先行して駆け抜けるなど、レース要素が加わったなりの違いを示す演出も。乗ると同時にロケットブーストのエネルギーを回復する仕掛けが多く設置されているのにも、微かながら方向性の違いを感じ取れた。このアクションとシステムで、どうレースゲームへと昇華させるのか、筆者自身、Play Station 4、Xbox One、PCで配信されているリメイク兼リマスター版『Super Cloudbuilt』のプレイ経験があるので、興味深い限りだ。

▲参考トレイラー:『Super Cloudbuilt』。操作感、アクションは今作とほとんど同じ。

配信日は未定で、供給プラットフォームはPC。試遊台において案内を務めていたCoilworksクリエイティブディレクターのAnders Davallius(Gafgar)氏曰く、家庭用ゲーム機へのリリースは現時点では未定だが、将来的には『Super Cloudbuilt』のように出したいとの展望を語られていた。日本語への対応は確定しているので、『Cloudbuilt』をプレイした経験者はもちろんのこと、スピーディな3Dアクションゲームをお求めの人は要チェックだ。

トランシルビィ

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『フェアルーン』シリーズ、『神巫女』で知られ、現在、スローライフRPG『ピコンティア』も制作中のインディーゲームスタジオ「スキップモア」の新作。フライハイワークスのブースに出展されていた作品で、サイボーグ少女「シルビィ」を操作して、滅びゆく惑星から生物のDNAデータ回収を目指す横スクロールの探索型アクションゲームだ。デモバージョンでは、制限時間10分の間にゲーム開始間もない舞台となるエリアの探索を楽しむことができた。

流れとしては、惑星着陸時に失ったシルビィの能力を取り戻しつつ、「エネルギー」のアイテムを回収して探索範囲を広げていく形となる。探索型アクションゲームとしては王道且つ、『神巫女』っぽい要素も取り入れた作りだ。

特徴としては銃こと「エレメントガン」による敵のフリーズ(硬直)と仕掛けの起動。ソードによる近接攻撃のほか、同武器による遠距離攻撃がゲームが進むと加わり、行く手を阻む敵を固めて動けなくしたり、仕掛けを起動してジャンプだと届かない場所への道筋を切り開くことができるようになる。特に後者の要素がマップ上に多く配置されていて、いかに仕掛けを使いこなすかがキーとなる内容になることを予感させられた

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▲アーケードゲームチックなインストラクションカード

近接攻撃もボタン連打でコンボ攻撃に繋げられるほか、ジャンプ中にコントロースティック下(あるいはジャンプ中にYボタン四連打)で下突きを繰り出せるなど、なかなか多彩。道中には下側にいる見えない敵を下突きで対処する場面もあるなど、攻略に当たって重要なアクションに位置付けられるを感じさせられた。ただ、筆者はそれに気付かず、敵の群れにダイブしてしまったのだが。(下方向に敵がいる場合、警告表示を出してもいいような……と思ってしまった。)

デモは最初のボスが待ち受ける部屋に到達すると終了。肝心の戦闘は製品版までお預け、とのことだ。手触りは非常によく、やり甲斐のある探索型アクションゲームになることを期待させられる本作。2019年にNintendo Switchで配信予定。本年度も出展されていた『ピコンティア』共々、見逃せない一作だ。(なお、ピコンティアは2018年冬に配信予定!)

胡蝶の夢

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こちらもフライハイワークスのブースに出展されていた作品。中国に拠点を構えるインディーディベロッパー「DOTOYOU Games」制作による3Dアクションゲームだ。販売はCIRCLE Ent.が担当し、Nintendo Switchのほか、PC(Steam)、PlayStation 4向けにリリース予定。

謎解き要素豊富なアクションアドベンチャー的な内容を見た目から想像してしまうが、プレイしてみるとほぼその通りの作りであり、様々な仕掛けをあの手この手で動かし、道を切り開いていく。ただ、本編はステージクリア方式を採用しており、全部で7つのステージを攻略しながら進めていくようだ。また、本作ならではの要素がメイン武器の「剣」。普通の武器と見せかけて、実は特殊なエネルギー(光?)から生成して作り出す物理的な実体を持たない武器となっている。そのため、地面に突き刺したりすれば、そこから更に剣を生成することも可能。突き刺した剣も、チャージ攻撃を当てれば広範囲攻撃へと繋げられるなど、実体を持たない武器ならではの独特な戦術を駆使することもできる。剣以外にも弓矢もデフォルトで使うことができ、これを駆使して仕掛けを動かすなど、どこかの某有名アクションアドベンチャーゲームを彷彿とさせるシーンも確認することができた

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舞台となるフィールドには宝箱も多く隠されていて、その中には主人公の記憶の欠片が混じっていることも。これを獲得することで、物語に隠された秘密が明らかになるなど、ストーリー周りでも独特の表現・演出技法を採用しているようだ。

今回プレイできたNintendo Switch版は、ジャイロセンサーによる操作にも対応していて、弓矢で狙いを付けるのを直感的に行えるのもちょっとした見所。グラフィックも幻想的な世界観にマッチした作風で、エフェクト周りの美しさが光る仕上がりになっている。王道のアクションアドベンチャーを想起させつつも、剣を生成するシステムなどで、独特な戦闘と謎解きを楽しめそうな一作。配信予定日は2018年内。3Dアクション、アクションアドベンチャー好きなら見逃せない作品だ。

Black Future ’88

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アメリカはカリフォルニア州・オークランド在住の個人開発者兼ミュージシャンのDon Bellenger氏(SUPERSCARYSNAKES)制作による、サイバーパンク・アクションシューティング。
1988年夏、突如街中にその姿を現し、無差別核攻撃を開始した謎のタワーによって世界は荒廃。人類もその数を著しく減らし、滅亡が現実味を帯びる中、来たる残酷な運命を回避すべく、武装した生存者達がタワーへと突入し、その脅威の根源の排除を目指すというストーリーを描いた作品だ。此度の東京ゲームショウにて日本では初となるPC版のプレイアブル出展が行われた。日本語対応も確定しており、架け橋ゲームズが担当する。

ゲームは右スティックで狙いを付け、敵を撃退していくツインスティックスタイルを採用したアクションシューティングだが、武器となる銃火器には弾数制限が設けられているため、正確に仕留めていくことが要求される。敵が放ってくる弾幕も厚く、プレイヤーが持つ特殊アクションで、壁をすり抜ける性質を持ったダッシュの活用が求められてきたりと、非常に激しい戦闘が繰り広げられる。また、スキル習得による成長、再挑戦する度に構造が変わるタワーの階層と言ったローグライク要素も実装。選べるプレイヤーキャラクターも四人いるようで(※デモでは三人だった)、それぞれ個性も異なるなど、やり込み度も高い作りになってそうだ。

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プレイして最も刺激的だったのはグラフィック。銃撃から敵弾、爆発表現がエフェクトをバリバリに効かせたものになっていたり、ネオンが揺らめいたりなど、ドット絵でありながらも非常に派手で、核によって荒廃した世界観にマッチした毒々しい雰囲気を醸し出している。音楽もその雰囲気を引き立てつつ、アクションゲームならではのノリの良さを出す楽曲が揃っていて、力の入れようが伝わってくる。ゲームとしても、紙一重の立ち回りが要求されるシビアな戦闘がやり応え抜群。華麗に攻撃を回避し、エフェクトの効いた銃撃を当てて仕留められた時の快感は格別だ。

現時点でプラットフォームはPC(Windows)が予定されており、2018年内に配信予定。既に開設されているSteamのストアページでは、日本語サポート対象外と出ているが、上記の写真の通り、会場で遊べたバージョンはちゃんと日本語化されていたので、その点はご安心を。アクションシューティング、サイバー・パンク好きであれば、要注目の一本だ。

ちなみに、製品版ではダッシュによる弾幕の回避がやりやすくなるとのこと。試遊台にて案内を務められていた架け橋ゲームズ代表ザック・ハントリ氏曰く、今回出展されていたバージョンは判定が極めて厳しく設定されていたようで、迂闊に突撃すれば余計にダメージを喰らってしまうバランスだったようだ。筆者はそれを知らず、突撃を繰り返して玉砕しました。ヌゴーッ!そんなわけで、製品版では華麗な回避も楽しめる調整になっていることをお祈り致します…。

Forager

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ゲーム制作ツール『GameMaker Studio』を世に送り出したYoYoGames社主催のゲームジャム(GMS2Jam)でお披露目され、大好評を博した2Dサンドボックスゲーム。それを更に遊べる内容へと進化・発展させたのが本作となる。アルゼンチン・ブエノスアイレス在住の個人開発者Mariano Cavallero氏(HopFrog)が制作。販売をHumble Bundleが務める。日本語対応も確定しており、こちらも先述の『Black Future 88』に引き続き、架け橋ゲームズが担当。

サンドボックスとしては比較的正統派の作りだが、お金を費やして新たな島を購入し、探索範囲を広げていくという開拓要素が独自色を出しており、生活を営みつつ、冒険も繰り広げていくアクションアドベンチャー的な手応えに富んだ作りになっている。島も大小様々な種類が存在するほか、中には購入と同時にボスが飛び出し、戦闘に突入するというプレイヤーをドキッとさせる島もあるとか。プレイヤー自身の成長要素もあり、レベルアップと同時に得られたスキルポイントを割り振ることで様々な特殊能力を獲得でき、クラフトや行動の幅が広がっていく。それ以外に島を広げることで、特殊なアビリティを付加する装備が手に入ったり、新たな素材を収集できるようになって、アイテム作成の幅が広がる恩恵を得られたりも。建造できる施設も増えれば、素材の大量生産を行い、回収の手間を省く資本主義的な手を打つこともできてしまうようだ。

この手のジャンルのご多分に漏れず、やり始めると時間を忘れてやり続けてしまう中毒性も健在。筆者も始めて間もなく、施設の建造から素材の回収など、色んなことを繰り返してしまって、相当な時間を吸い取られた。更に事前にプレイした人が「金の延べ棒」を沢山残してくれていたことからお金の錬成に勤しみ、溜まった分を費やして島の複数購入も決行。新たな活動拠点となる場所もあれば、宝箱だけが置かれただけの場所もあるという島の多彩さの一端を知ることができた。

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▲こんな具合に広げてみました。

配信は意外と近く、2018年10月中になるとのこと。PC(Windows)のほか、Nintendo Switch向けにリリースされる。ゲームの性質的にNintendo Switchの携帯モードとの相性は抜群で、まず間違いなく時間泥棒ゲーとして悪魔的な存在感を見せつけるはずだ。サンドボックスゲームとしても、興味深い要素が揃った作りになっているので、興味のある方はぜひ。itch.ioでは体験版も配布されているので、どのようなゲームか気になるなら、ダウンロードして確かめてみよう。

TOKYO DARK -Remembrance-

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神奈川県は鎌倉に拠点を構える、イギリス人と日本人の夫婦によるインディースタジオ「cherrymochi」制作のポイント&クリック型ミステリーアドベンチャーゲーム。2017年9月7日にPC(Windows、Mac)用タイトルとしてリリースされた作品で、本作は家庭用ゲーム機版兼完全版となる。販売はソニー・ミュージックエンタテインメントのゲームパブリッシングレーベル「UNTIES(アンティーズ)」が務め、家庭用への移植作業はニンテンドー3DS版『dreeps:アラームプレイングゲーム』、『メゾン・ド・魔王』、『鋼鉄帝国』などを手掛けたメビウスが担当している。

本作は2016年6月9日、10日に京都で開催された「BitSummit 4th」において、最優秀賞に当たる「VERMILION GATE AWARD」を獲得したことでも知られる作品。突如失踪した主人公の女刑事・伊藤絢美のパートナーで、恋人でもある田中一樹刑事の消息を追って、大都市・東京の暗部に踏み込んでいくミステリアスなストーリーが描かれる。

基本的には横にスクロールするフィールドを移動し、怪しいポイントを調べたり、店内の客、従業員などから情報を収集したりしながら進めていく。
PC版はポイント&クリック方式という事で、マウス操作で遊ぶ設計になっているが、この家庭用ゲーム機版はコントローラ操作へと一新され、コントロールスティック(方向キー)で伊藤刑事を動かし、怪しいポイントに近づいたらAボタンを押した後に現れる選択肢を決め、行動を取っていくスタイルになっている。当もぐらゲームスにレビューが掲載されている『返校 -Detention-』と全く同じアレンジと言えば、ピンとくるかもしれない。
ただ、選択肢の操作が少し独特で、画面内に調査可能な箇所が複数表示された時は、LRボタンで調べたい所を順に切り替えていく仕組みとなっている。なので、始めて間もない頃は困惑しがちだが、慣れればスムーズに調査を行っていけそうな手応えは感じ取れた。

また、デモで遊べたのはゲームの冒頭部分でありながらも、プレイヤー自身の良心に沿った行動を取るか、取らないかで伊藤刑事の精神面が変動し、その後のストーリーも変わってくる本作独自のシステムを多少ながら体験することができた。演出もゲーム全体に漂う猟奇的な雰囲気を引き立てているほか、随所で挿入されるアニメムービーも凝った仕上がり。ストーリーもPC版では語り切れなかった謎を解き明かすイベントが新規に追加されるなど、そちらで一通りプレイ済みの人も楽しめる要素が揃っているようだ。

試遊台近くにいた、移植担当であるメビウスの北村氏曰く、PC版をプログラムレベルで一から再構築しながら移植作業を行っているようで、完成まで少し時間がかかるようだが、今冬には必ず出したいとのこと。会場に出展されていたNintendo Switch版以外にも、Play Station 4版も同時にリリースされることになっているので、楽しみに待とう。

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