デッキ構築型カードバトルRPG『メビウスの迷宮』公開など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

インディーゲーム,フリーゲーム,連載

本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は6件です。

デッキ構築型カードバトルRPG『メビウスの迷宮』公開

KEN氏は6月11日、デッキ構築型カードバトルRPG『メビウスの迷宮』をフリーゲームとして公開した。

4人の冒険者達が「メビウスの迷宮」と呼ばれるダンジョンに挑むという作品。デッキを構成するカードやキャラクターを強化する「スキル」の内容が異なるプレイヤーキャラクターを選んで、ノンフィールド型のダンジョンを攻略していく。

選べるキャラクターは最初は1人でゲームを進めることで増えていくほか、ストーリーもゲームを進めることで徐々に解放されるノベルパートで展開し、任意のタイミングで読み進めることが可能。冒険者達がなぜ迷宮に挑むのかなどが明かされていく。

戦闘システムは1vs1で、ターン毎にコストを消費してカードを使用したあと敵が行動するというカードバトルRPGとして一般的な方式だが、多くのカードの使用時に「dust」と呼ばれる値を得て、これがフルになると覚醒状態となり対応するカードの効果が覚醒時用のものに変化するのが特徴。

覚醒時の効果は、攻撃の威力や敵の攻撃を防ぐシールドの効果量が2倍や3倍になったり、さらに追加のメリットを得たりなど非常に大きい。これを効果的に利用するために、覚醒のタイミングをコントロールすることが攻略のポイントとなっている。

2D探索型アクションゲーム『ブレードキメラ』体験版公開

PLAYISMは6月11日、Steamにて開催中のイベント「Steam Next フェス」に参加し、Team Ladybug開発の2D探索型アクションゲーム『ブレードキメラ(BLADE CHIMERA)』の体験版を公開した。

『ブレードキメラ』は、東方Project二次創作作品『Touhou Luna Nights』(紹介記事)や、ファンタジー小説「ロードス島戦記」の二次創作作品『ロードス島戦記ーディードリット・イン・ワンダーラビリンスー』といったメトロイドヴァニア系作品を手掛けたTeam Ladybugによるオリジナル最新作。

プレイヤーは妖魔ハンターの「シン」となり、妖魔の「ルクス」が変身した魔剣「妖蛍刀(ようけいとう)」を駆使しながら近未来の大阪を探索する。

体験版では序盤をプレイ可能で、妖蛍刀を床に突き刺してバリアを展開したり、壁に突き刺して足場にしたり、過去にあった物を復元して足場にしたりといったアクションを体験可能。完成版は8月リリース予定。

シミュレーションRPG『ドラマチックロード 風の発端』体験版公開

アラスカ横断部は6月11日、現在Steamで早期アクセス実施中のシミュレーションRPG『ドラマチックロード 風の発端』の体験版を公開した。

『ドラマチックロード 風の発端』は、2006年にリリースされたシミュレーションRPG『ドラマチックロード 二輪部の挑戦』(現在はフリーゲームとして配信中)のシリーズ作品。現代日本の神奈川県を舞台に学生達が学園の平和のために戦うという世界観が特徴で、ライダー・マジシャン・球児など現代ものならではの多彩なキャラクターが仲間となる。

システムは敵味方が順次行動する混合ターン制で、1ターンに1回だけ、指定したキャラクターを行動順を入れ替えて即座に動かせる特殊コマンド「シフトチェンジ」が特徴。

物語は自警団「叢雲同盟」の3年間におよぶ激闘を全三部で描く構成で、早期アクセス版では第一部を収録。体験版はこのうちステージ1~3をプレイでき、セーブデータを早期アクセス版・製品版に引き継ぐことが可能。

なお6月18日まで、早期アクセス版を25% OFFで購入できるセールも実施されている。

ADV『人形の傷跡』『ANGEL WHISPER』Switch版セール実施

Child-Dream制作のアドベンチャーゲーム『人形の傷跡』『ANGEL WHISPER』Nintendo Switch版のセールが開始された。『人形の傷跡』は通常価格1,500円のところ67% OFFの495円。『ANGEL WHISPER』は通常価格1,500円のところ40% OFFの900円で購入可能。

いずれもChild-Dreamが1990年代に制作した同名作品のリメイク。『人形の傷跡』は、連絡が途絶えた姉の安否を確かめるため上京した「上条明日美」が、とある大学の研究室を中心に巻き起こる事件の真相に迫っていくというサイコホラー作品。リメイク版ではすべてのグラフィックを刷新したほか、物語後半の内容を大幅に追加。また、ホラー表現の緩和モードが追加されている。

『ANGEL WHISPER』は、「消失したゲーム作家の遺作をプレイする」という導入から進行するアドベンチャーゲームで、原作では現実に存在するWebサイトからヒントを得るなど、今で言うARG(代替現実ゲーム)の先駆けとも言えるようなシステムが大きな特徴だった。リメイク版はSwitch向けに制作されたこともあってか、基本的にゲーム内で謎解きが完結するように調整が施されている。

またシナリオ面では、原作リリース当時に話題となったオカルト系トピックである「ノストラダムスの大予言」を盛り込みつつ、ゲーム開発ものとしても楽しめる内容となっている。そのほかリメイク版ではグラフィックが一新されているほか、主人公であるゲーム作家の娘からリメイクを依頼されるという導入となっており、リメイク版をリリースすること自体も本作のメタ構造に組み込まれているような作りも特徴(紹介記事)。

なお両作ともに、Steam版も配信されている(『人形の傷跡』『ANGEL WHISPER』)。

ADV『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』PS4版半額セール実施

アドベンチャーゲーム『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』のPS4版の半額セールが開催されている。通常価格3,000円のところ1,500円で購入可能。セール期間は6月19日まで。

『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』は、Child-Dreamがフリーゲームとして公開していたアドベンチャーゲーム『千里の棋譜』のリメイク作品。『千里の棋譜』は将棋をテーマにしたミステリー作品で、名人の失踪や、将棋界で隠され続けていたとある秘密を軸に、「将棋界最強は人間かAIか」といったトピックも絡めつつ物語が展開していく。高橋道雄九段が企画監修を行っており、ゲーム内に出演しているのも特徴。

リメイク版である『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』は、Child-Dream代表で同作シナリオライターの宮下英尚氏が設立した株式会社ミスタ・ストーリーズとケムコの共同制作で、従来のシナリオを第一部とし、第二部として書き下ろしの新章が追加されている(紹介記事)。

ノベルゲームエンジン「Light.vn」バージョン16.2公開

ノベルゲームエンジン「Light.vn(ライト・ヴィエン)」のバージョン16.2が公開された。

ビジュアルノベル系作品を中心としたゲームの制作に適したスクリプト型のゲームエンジン。専用エディターが用意されており、エディター上でのリアルタイムプレビュー機能が大きな特徴となっている(紹介記事)。

バージョン16.2では、既読文章の文字色を変更する機能が追加された。また、配布用に出力されたアプリケーションの素材読み込み速度が大幅に向上したほか、指定した素材を配布時に暗号化から除外することが可能になった。これにより、有志による翻訳がしやすくなったり、一部データのユーザーによる差し替えが可能になるといった応用が考えられる。

なお現在、Light.vn製ゲームの賞金つきコンテスト「らいとゔぃえん祭2024」が開催されている。短編作品を対象としたコンテストで、作品応募期間は10月31日まで。

  • 中村友次郎(@finalbeta

    RPGのプレイと紹介がライフワーク。システムに凝ったRPGをとくに好んでプレイします。商業で一番好きなゲームメーカーは日本ファルコム。運営型では原神にハマってます。
    過去に十数年ほど、窓の杜の連載記事「週末ゲーム」の編集と一部執筆を担当していました。