クロスリアリティ・サスペンスADV『ANGEL WHISPER』Steam配信開始など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス

インディーゲーム,フリーゲーム,連載

本コーナーでは筆者や編集部がピックアップした、ここ1週間ほどのフリーゲームやインディーゲームの話題を毎週土曜日にお届けします。今週の話題は2件です。

クロスリアリティ・サスペンスADV『ANGEL WHISPER』Steam配信開始

Child-Dreamは1月15日、クロスリアリティ・サスペンスADV『ANGEL WHISPER(エンジェルウィスパー)』のSteam配信を開始した。昨年9月にはNintendo Switch版が発売されており、これに続くものとなる。

1999年にChild-Dreamがリリースした同名作品のリメイク。原作は「消失したゲーム作家の遺作をプレイする」という導入から進行するアドベンチャーゲームで、現実に存在するWebサイトからヒントを得るなど、今で言うARG(代替現実ゲーム)の先駆けとも言えるようなシステムが大きな特徴だった。

なお、リメイク版はSwitch向けに制作されたこともあってか当該Webサイトの内容がゲーム内に収録されているが、Webサイト自体は現在もChild-Dreamのサイト内にミラーとして存在し続けている。

またシナリオ面では、原作リリース当時に話題となったオカルト系トピックである「ノストラダムスの大予言」を盛り込みつつ、ゲーム開発ものとしても楽しめる内容となっている。結末へ向かうにつれてSF的な側面も増していき、20年以上前の作品でありながらAIの流行など現代に通じるトピックが描かれているのも見どころだ。

今回のリメイク版ではグラフィックが一新されているほか、原作の人気BGMもリマスター。また、リメイク版は主人公であるゲーム作家の娘からリメイクを依頼されるという導入となっており、新たなエピローグも追加されている。リメイク版をリリースすること自体も本作のメタ構造に組み込まれているような作りにも注目だ。

「フリゲ2023 あなたのベストフリーゲーム」得票作品一覧公開

フリーゲームの投票イベント「フリゲ2023 あなたのベストフリーゲーム」の得票作品一覧の暫定版が1月14日に公開された。

赤松弥太郎氏による、毎年恒例の投票企画として2008年より実施されてきたが、今回が最終回となる。これまでは投票可能な作品を投票開始前日までの1年間に公開・更新されたものと限定することで年間人気投票という側面が大きかったが、最終回となる今回は大きくルールを変更。過去に公開されたゲームを含め、投票終了日である昨年12月23日までに公開されたすべてのフリーゲームが投票対象となっていた。

また今回は結果発表においても、作品ごとの得票数は非公表となり、得票作品はタイトル順で表示される。本イベントは従来より、投票の際に任意でコメントを記入できるのが特徴で、投票数の制限もなく、プレイしたゲームの感想や作者への感謝を述べる場としても機能していた。

今回は最終回で期間の縛りもなしということで、投票者がこれまでプレイした数々のフリーゲームについてコメントを寄せる形に。有効総票数は20050票、得票作品数は7709本と大きな盛り上がりを見せるイベントとなった。イベントのサイトでは例年通り作品に寄せられたコメントが閲覧できるほか、作者から寄せられたコメントも掲載されている。

  • 中村友次郎(@finalbeta

    フリーゲームと同人ゲーム、日本ファルコム作品をこよなく愛するゲーム好き。システムに凝ったRPGをとくに好んでプレイします。運営型ゲームはメギド72をPvPメインで、あとは原神など。
    過去に十数年ほど、窓の杜の連載記事「週末ゲーム」の編集と一部執筆を担当していました。